1965年から68年にかけて制作・放映された「ウルトラQ」「ウルトラマン」「ウルトラセブン」で、主人公の超人、宇宙人、怪獣、そしてメカニックやセット等のデザインを一手に引き受け「ガラモン」、「ウルトラマン」、「バルタン星人」などのキャラクターを生んだ美術家、成田亨(なりたとおる)。未発表原画、実現しなかった企画案含む全700点を福岡市美術館で来年1月6日(火)より一挙公開となる。
マニア垂涎となる展覧会のチラシは8種類のバリエーションで作成!そのうちの2種類はシークレットチラシとなり展覧会場でなければ手に入らないレアアイテムとなるだろう。
チラシはランダムに11月末より福岡県内を中心に全国の美術館・博物館などで配布・設置される。チラシの情報は福岡市美術館FacebookやHPで発信される。

世代を超えて今も親しまれているキャラクターは、彼が芸術家として吸収した同時代美術や西洋モダンアートにより培った造形センスを惜しみなく怪獣デザインにつぎ込んだからに他ならない。成田亨と言えば、これまで「ウルトラ」の仕事ばかりに注目が行きがちだが、本展では、成田亨という1人の美術家が歩んだ軌跡を多彩な内容で展示する。
青森県立美術館所蔵のウルトラ関係デザイン原画187点をはじめ、「ヒューマン」、「バンキッド」など特撮関連のデザイン原画や未公開の怪獣デザイン原画、手元に遺した絵画、彫刻、そして本展のために再現された特撮セットも加えた総点数700点により、非凡なる才能を秘めていた奇跡の芸術家の知られざる全貌に迫る。

成田 亨(なりた とおる)
1929年青森出身の両親のもと神戸市で生まれ、幼少期を青森で過ごす。武蔵野美術大学で絵画、彫刻を学ぶが、東宝映画『ゴジラ』の撮影現場の手伝いをきっかけに映画美術の世界に入る。初期「ウルトラ」シリーズ、「マイティジャック」の怪獣、宇宙人、メカニックのデザイン手掛けた。そのほか、ディスプレイデザイン、舞台、テレビ、映画の特撮を数多く担当。彫刻家としても活躍し、1990年京都府大江町(現・福知山市)に《鬼モニュメント》を制作。ウルトラ関係のデザイン原画189点が2006(平成18)年開館の青森県立美術館の所蔵品となった。芸術家としての評価が高まってきた矢先、2002年永眠。

■展覧会基本情報■
展覧会題名:成田亨 美術/特撮/怪獣 (なりたとおる びじゅつ とくさつ かいじゅう)
会期:2015(平成27年)1月6日(火)—2月11日(水・祝)
開館時間:9時30分〜17時30分(入館は17時まで)
休館日:毎週月曜日、1月13日(火)〔1月12日(月)は祝日のため開館〕
会場:福岡市美術館(〒810-0051 福岡市中央区大濠公園1−6)
福岡市美術館HP:http://www.fukuoka-art-museum.jp/

主催:福岡市美術館、西日本新聞社、TVQ九州放送
後援:福岡市教育委員会、(公財)福岡市文化芸術振興財団、ジェイコム九州
企画協力:スパンアートギャラリー
観覧料:一般 1200円(1000円) 大学・高校生 800円(500円)
※( )内は前売り、20人以上の団体および、満65歳以上の方の割引料金
満65歳以上の方はチケット購入時に年齢が分かる物【健康保険証、運転免許証等】を提示のこと
◎下記該当者は観覧無料
・小中学生以下・身体障害者手帳、精神障害者保健福祉手帳、療育手帳の提示者とその介護者1名
・特定疾患医療受給者証、先天性血液凝固因子障害等医療受給者証、小児慢性特定疾患医療受診券の提示者。
◎ 前売券は11月1日〜1月5日まで販売。以降会期中は当日料金で販売。
チケットぴあ(Pコード 766−489)ローソンチケット(Lコード 81347)セブンチケット(セブンコード 034-483) ほか、主要プレイガイドにて発売。
問い合わせ先:福岡市美術館 TEL 092−714−6051(代)

■巡回情報■
富山県立近代美術館(終了) 2014年7月19日—8月31日 観覧者数:約2万3000人
青森県立美術館 2015年4月11日−6月7日

執筆者

Yasuhiro Togawa