第 15 回東京フィルメックスの特別招待作品部門にて、ブラジルのウォルター・サレス監督によるドキュメンタリー『ジャ・ジャンクー、フェンヤンの子』がサプライズ上映されることが決定しました。同作を含め、今年の映画祭の上映作品は、全 25 作品で確定しました。

本作は『セントラル・ステーション』、『モーターサイクル・ダイアリーズ』や『オン・ザ・ロード』で知られるサレス監督が、中国映画界を代表するジャ・ジャンクーを追ったドキュメンタリー。稀代の映画作家を育んだ土地や、両親を始めとした、彼を取り巻く人々が、いかに彼の作品世界に影響を与えたかを、これまた世界が注目する映画作家サレスが明らかにする作品です。また、ジャ・ジャンクー監督は、今年の東京フィルメックスコンペティション部門の審査委員長として来日し、上映時にも登壇が予定されています。本作は25日まで開催中のローマ国際映画祭でワールドプレミアされ、東京フィルメックスがアジアンプレミアとなります。

『ジャ・ジャンクー、フェンヤンの子』
A GUY FROM FENYANG:JIA ZHANGKE /ブラジル /2014/103 分
監督:ウォルター・サレス
出演:ジャ・ジャンクー、ワン・ホン
ウェイ、チャオ・タオ、ユー・リクウ
ァイ、ハン・サンミン
上映日時:11/25(火)10:40@有楽町朝日ホール(上映前にジャ・ジャンクー監督の舞台挨拶を予定)
11/30(日)21:15@TOHOシネマズ 日劇
※ワーク・イン・プログレス版上映の可能性がございます。

映画はジャ・ジャンクーの生まれ故郷であり、初期作品の撮影の舞台にもなった山西省フェンヤン(汾陽)から始まる。『一瞬の夢』(97)が撮られた商店街をワン・ホンウェイが歩き、『プラットホーム』(00)が撮られたピンヤオ(平遥)の城壁にチャオ・タオが佇む。やがて、舞台は北京に移り、『世界』(04)が撮られた「世界公園」をジャ・ジャンクーが再訪する。サレス自身が「現代のもっとも重要な映画作家」と語るジャ・ジャンクーへの敬意が込められた作品。

執筆者

Yasuhiro Togawa