株式会社ispace(東京オフィス:東京都港区麻布台)が運営する日本初の民間月面探査チーム「ハクト(白兎)」は、Googleによる国際宇宙開発レース「Google Lunar XPRIZE」に参戦する日本唯一のチームとして、2015年末までにロボットでの月面探査を目指し、挑戦し続けています。

 ハクトはいま、「宇宙は少し手を伸ばせば届くところ」に立っています。我々の取り組みやビジョンを、多くの人たちに知ってもらうきっかけとして、みんなをアッといわせるWEB動画を制作。我々の想いを突き詰めていったら、このような動画(120秒)ができあがりました。

 恋しいとき、悲しいとき、希望を見出すとき……。人類はみんな、そっと月を眺めてきました。そんな月を目指して、ハクトは挑戦していきます。そう、このゴキブリのように……。

■ハクト「月とゴキブリ」WEB動画について

 私たちの暮らす地球から、およそ38万4,400kmも離れた宇宙空間に存在する、月。かぐや姫もアポロ計画も……昔から、月はたくさんの人を魅了してきました。
 そんな月を、最も長い間、見つめてきた生物は、誰でしょう……?
 それは、もしかしたら、「ゴ・キ・ブ・リ」かもしれません。ゴキブリは、世界に生息する総数1兆5千億匹弱、約3億年前の古生代石炭紀から地球上に生き続ける「生きている化石」ともいわれています。そんなゴキブリですから、月への想いも“宇宙一”といえるのではないでしょうか。
 ハクトは、「世界初の民間組織による無人月面探査」を実現し、ワクワクする宇宙開発への道を切り拓くというビジョンを掲げて日夜取り組む“日本唯一”のチームです。つまり、最も長く月を見つめてきたであろうゴキブリに負けぬほど、月への憧れを持っています。
 そこで、民間月面探査チームのハクトは、同じ憧れを持ったゴキブリを徹底的に定点観測。とある一般家庭の台所で定点撮影した際、ゴキブリが秘める脅威のパフォーマンスを見せる決定的瞬間をとらえました。
 その衝撃的な映像に出てくるゴキブリは、実在する本物です。本物のゴキブリだからこそ、その先に見え隠れする哀愁や生命力、壮大なスケールの挑戦などを描きました。羽ばたきによる結末は、まさにサプライズがまっていますので、是非多くの人に見てもらい、月の魅力・ハクトのことを知ってもらえれば幸いです。
(HaruHaru<総合プロデューサー&クリエイティブディレクター>)

■ストーリー

 舞台は、日本の典型的な台所。夜空に見事な満月が浮かぶなか、台所の片隅で、カサカサと何か音が聞こえてきます。その音を発していたのは、ゴキブリ捕獲器。厚紙で覆われた部屋の中で、粘着剤に足を沈めて動けなくなってしまったゴキブリが、一匹……。
 月明かりが差し込む台所。ゴキブリは、窓に映る満月を見つめ、羽を広げてバタバタ、バタバタと動き始めます。

(ナレーション)「これは、満月の輝く夜、ゴキブリの生態の決定的瞬間をとらえた貴重な映像です」

 必死に羽ばたくゴキブリ。ついには、なんとゴキブリ捕獲器が浮き上がってしまいます。

(ナレーション)「紙製のゴキブリ捕獲器、その中で、必死にうごめく1匹のゴキブリ。
触覚や手脚を動かし、必死に、うごめています」

(ナレーション)「その時、その瞬間は訪れました」

 台所をゆっくりと浮上するゴキブリ捕獲器。厚紙の中では必死に羽ばたくゴキブリ……。

(ナレーション)「約3億年前から地球に生息してきた、ゴキブリ。この地球上でいちば
ん、月を見てきたのは、彼らかもしれません」

 満月へと吸い込まれるように飛行する、ゴキブリ捕獲器。そして、メッセージがこう示
されます。

 「月には、魅きつける力がある。」

 「日本初の民間月面探査チーム HAKUTO」の文字とロゴが表示されたあと、月を目指し
たゴキブリと捕獲器は、ついに、アポロ計画時代の月面の足跡の横に、月面着陸します。

※尚、出演したゴキブリは、撮影後、自然にかえしました。

■参考情報

———————— ハクトの挑戦について ————————

 誰もが夢を追い求める事ができる世の中を創る。
 ハクトは、子どもの頃からの宇宙への夢を、「世界初の民間組織による月面無人探査」という形で実現しようとしています。本来、宇宙開発はワクワクし、夢を感じるものであったはずです。いつの日からか、莫大な開発コストがかかり、国家主導ゆえ、一般の人々や民間企業にとっては手が届かない存在になり、ワクワクする宇宙開発から遠ざかってしまいました。
 そこでハクトが「民間組織による無人月面探査」を実現することによって、 宇宙ビジネスを飛躍的に活性化し、ワクワクする宇宙開発への道を切り拓きます。
 そして宇宙開発経験も資金もないハクトが、このプロジェクトを成功させることで、多くの人々が自分の想像の枠を取りはらい、宇宙開発に限らず、「夢」に向かって行動を起こすためのキッカケを与えることができると信じています。
 Google Lunar XPRIZE への参加は、ハクトのビジョンに向けた最初のミッションであり、私たちの夢への第一歩となります。
( WEBサイトURL=http://team-hakuto.jp/ )

———————— Google Lunar XPRIZEというレースについて ————————

 「Google Lunar XPRIZE」は、Googleがスポンサーとなり、XPRIZE財団によって運営される、民間組織による月面無人探査を競う総額4,000万ドルの国際賞金レースです。ミッションは、2015年12月31日までに月面に純民間開発の無人探査機を着陸させ、着陸地点から500m以上移動し、指定された高解像度の動画や静止画データを地球に送信すること。世界10カ国以上から18チームが参加しています。
 本レースは、民間宇宙開発を加速させ、宇宙産業の拡大、市場への投資を促進し、中長期的に繰り返し月面にロボットを送り込めるビジネスを育成させることを目的として開催されています。XPRIZE財団は、賞金レースにより1927年の飛行機による大西洋横断が成功し、その後航空産業が飛躍的に発展したことに着想を得て、今後、産業化が期待できる分野で様々なレースを主催します。
( WEBサイトURL=http://www.googlelunarxprize.org )

執筆者

Yasuhiro Togawa