ゾンビを倒して金儲けをしようと計画。キャッチコピーは“愛する人、殺します”。
しかも料金はリーズナブル。
こうして、フアンのビジネスと冒険を巡るキューバ発ゾンビ・コメディーが誕生。
ぜひ、愛する人たちとお楽しみあれ。

40歳のフアンは、人生の大半をキューバという国で文字通り何もせずに過ごしてきた。
その生き方を守るためなら、どんな犠牲も厭わない。いつも一緒にいる友人のラサロは、フアンに負けず劣らずの怠け者であり、彼の2倍バカな男だ。そんなフアンが唯一、気にかけている存在が美しく成長した娘のカミーラ。しかし当のカミーラは、トラブルを起こすことにしか能のない父親とはできる限り距離を置きたい様子。
そんな折、突如として町に奇妙な出来事が起こり始める。人々が凶暴になり互いを襲い出したのだ。当初、フアンは新たな革命が起こったのだと考える。国営メディアも、米国より資金援助を受けた反体制派キューバ人による単発的な事件と報道。
しかし、やがてフアンとその仲間たちは、犯人が普通の人間ではなく、簡単に殺せるような相手ではないことに気づいていく。その正体は、吸血鬼でもなければ悪霊でもない。
もちろん反体制派など論外だ。一度でも噛まれた者は同じく凶暴な殺人鬼へと化し、息の根を止めるには脳に致命傷を与えるしかない。
この状況を乗り切るため、フアンが考え出した最善策は金儲けだった。
キャッチコピーは“愛する人、殺します。フアン殺人代行社”。チームのメンバーはラサロにその息子のブラディ、そしてカミーラ(祖母に殺されかけそうなところをフアンに助け出された彼女は、チームに加わるより他に選択肢がなかった)だ。
彼らの業務は感染者を排除し人々を助けること… しかもリーズナブルな料金で。
しかし血に飢えた敵は大増殖し、手に負えない状況に。住民たちは途方に暮れる。
もはや残された者が助かる道は1つ。海に脱出し、殺戮の限りが繰り広げられる島から離れることだ。ついにフアンは、一生をかけてかたくなに避け続けてきた行動を選択せざるをえなくなる。それは自らの(ヒーローとしての?)責任を自覚し、希望を掲げて愛する者を導くこと。そして血肉を貪るゾンビの島となってしまったハバナの混乱から、彼らを安全に救い出すことだ。

予告編::http://youtu.be/4PIxKdAUT4I

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執筆者

Yasuhiro Togawa