012年の劇場公開に先駆け、現在開催中の山形国際ドキュメンタリー映画祭2011のメインプログラム「インターナショナル・コンペティション」部門で上映されたアップリンク配給のパトリシオ・グスマン監督作『光、ノスタルジア』が山形市長賞(最優秀賞)を、ヴァディム・イェンドレイコ監督作『5頭の象と生きる女』が優秀賞と市民賞の2冠を獲得した。

映画祭のために来日し、舞台挨拶などを行ってきていたヴァディム・イェンドレイコ監督は、今回の受賞について次のように語った。

「この作品はウクライナの女性がロシア文学をドイツ語に翻訳するという物語です。日本とは関わりがないので、きっとこの作品に興味を持ってくれないのではないかと思っていたのですが、こうした賞をいただき、映画を通して翻訳者に魅了されていたその気持ちが多くの人と共有できたのだということが解り、とても嬉しく思っています。映画の主人公である85歳の女性がこのようなことを言っていました。『最も興味深いのは、自分が理解できない事柄よ』。私もそのとおりだと思います。様々な映画に触れることで、最初は何のことか解らなくても、そこから世界への理解がより深まるのです」。

★山形国際ドキュメンタリー映画祭
<公式サイト>http://www.yidff.jp/home.html

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執筆者

Yasuhiro Togawa