この度、五十嵐耕平とダミアン・マニヴェルの共同監督作品『泳ぎすぎた夜』(仏題: La nuit où j’ai nagé) が、第74回 ヴェネチア国際映画祭 オリゾンティ・コンペティション部門に正式出品されることが決定いたしました。

ヴェネチア国際映画祭は1932年に始まり、今回で74回目を迎える世界最古の映画祭。ベルリン国際映画祭、カンヌ国際映画祭と並び世界三大映画祭の1つとしても知られており、今年は現地時間8月30日から9月9日まで開催されます。

今作は、2014年ロカルノ国際映画祭で出会った国も言葉も異なる二人の若き新鋭監督、ダミアン・マニヴェル(『若き詩人』)と五十嵐耕平(『息を殺して』)が、共に魅せられた美しい原風景のような冬の青森を舞台に共同監督作品として企画し、青森で生まれ育った人々と限られたスタッフによって作られた作品です。2017年1月中旬から1ヶ月半の間、撮影のそのほとんどが青森県弘前市で行われました。自分の絵を父親に届けに行く一人の少年の1日を描いています。主演は、一般の中から選ばれた、演技初挑戦の古川鳳羅くん(こがわたから/青森県平川市在住・7歳)が務め上げました。また、その他のキャストとして彼の実際の家族らが出演しています。

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●あらすじ 雪で覆われた青森の山々。毎晩、魚屋の父は街の市場に出かけてゆく。父の出がけに目を覚ました6歳の息子は、そのあと眠ることが出来ない。皆が寝静まる家の中、少年は絵を描き、それをランドセルにしまう。翌朝、彼は眠い目をこすりながら学校へと登校するのだが、いつしか道をそれて、雪の中をよろめきながら街を目指す。少年の小さな冒険が始まる。
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● 監督プロフィール・コメント
五十嵐耕平 (いがらし こうへい)
1983年静岡生まれ。東京造形大学在学中に制作した映画『夜来風雨の声』が Cinema Digital Seoul Film Festival (CINDI)に出品され韓国批評家賞を受賞。2014年、東京藝術大学大学院映像研究科にて制作した修了作品『息を殺して』は第67回ロカルノ国際映画祭 新鋭監督部門に出品されたのち全国劇場公開された。また近年はD.A.N. 等のMVも手がけている。

コメント  厳しい寒さと降りしきる雪の青森で、まるで初めて雪に触れるように奔放に動き回る主人公の鳳羅(たから)くんの姿がヴェネチアの大きなスクリーンに映し出されることを想像すると楽しみで仕方がありません。そして同時に、あの時青森のみなさんと一緒に過ごした時間の豊かさに感謝の気持ちでいっぱいです。

ダミアン・マニヴェル (Damien Manivel)
1981年ブレスト生まれ。コンテンポラリー・ダンサーとして活躍後、ル・フレノワ国立現代アートスタジオにて映画を学ぶ。『犬を連れた女』は2011年ジャン・ヴィゴ賞を受賞、四作目となる『日曜日の朝』は2012年カンヌ国際映画祭の批評家週間短編大賞を受賞。初長編映画となる『若き詩人』はロカルノ映画祭特別大賞を受賞した。長編2作目となる『パーク』は2016年カンヌ国際映画祭ACID部門に選出された。

コメント  『泳ぎすぎた夜』は、2人の監督、1人の日本人と1人のフランス人の友情から始まりました。自分自身に忠実に、青森の雪の中で最高の仕事をするために、我々は最善を尽くしました。ヴェネチア国際映画祭に選ばれたことは大変大きな名誉です。それは映画が世界の共通言語であるという証拠です。
私は、この映画を日本のみなさんに届ける時が来るのを待ち切れません。

主演 古川鳳羅
コメント えいがのおまつりでしょうをとれていいきもちになりました。青森にもそのえいががきてくれればいいなと思います。つぎに世かいじゅうの人にみてもらってうれしいです。(原文ママ)

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『泳ぎすぎた夜』(仏題: La nuit où j’ai nagé )
◆キャスト:古川鳳羅 (こがわ たから)、古川蛍姫 (こがわ けいき)、古川知里 (こがわ ちさと)、古川孝 (こがわ たかし)、工藤雄志 (くどう ゆうし)、はな(犬)
◆監督:五十嵐耕平 & ダミアン・マニヴェル◆プロデューサー:ダミアン・マニヴェル&マルタン・ベルティエ&大木真琴◆撮影監督:髙橋航◆照明:跡地淳太朗◆録音:ジェローム・プティ&高橋玄◆助監督:上田真之、平井敦士◆編集:ウィリアム・ラヴリ◆カラリスト:ヨヴ・ムーア◆音楽:ジェローム・プティ◆フランス配給・海外セールス : Shellac / シェラック◆制作プロダクション:NOBO◆製作 : MLD Films
2017/フランス・日本/DCP/4:3/color/5.1ch/78分 ©2017 MLD Films

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