インド発の法廷映画『裁き』のユーロスペースでの公開初日が、7月8日(土)に決定いたしました。

本作は、自殺を扇動する歌を歌ったという不条理な容疑で逮捕された歌手と、彼の運命を握る裁判官、検事、弁護士が織りなす法廷の攻防、そしてそれと並行する彼らの私生活を、独特の視点とカメラワークで描いた、異色の法廷劇です。監督は、ムンバイを拠点としながらもボリウッドとは一線を画し、独自のスタイルで作品を作り上げているインド新世代の旗手チャイタニヤ・タームハネー。米経済誌フォーブス「アジアのエンターテインメント&スポーツにおける30歳以下の30人」、米業界誌ハリウッド・レポーター「世界で最も将来が期待されている30歳以下の映画監督の一人」などに選出され、世界の映画界に新風を巻き起こしている監督です。本作では、インドの裁判やカースト、家族といった社会システムを背景に、国家権力などの問題にも踏み込みながら、ユーモラスかつ洞察力に富んだ視点で”人間”を描いています。

ナーラーヤン・カンブレ、65才、歌手。罪状は自殺を煽る歌を歌ったこと―ある下水清掃人の死体が、ムンバイのマンホールの中で発見された。ほどなく、年老いた民謡歌手カンブレが逮捕される。彼の扇動的な歌が、下水清掃人を自殺へと駆り立てたという容疑だった。不条理にも被告人となった彼の裁判が下級裁判所で始まる。理論的で人権を尊重する若手弁護士、100年以上前の法律を持ち出して刑の確定を急ぐ検察官、何とか公正に事を運ぼうとする裁判官、そして偽証をする目撃者や無関心な被害者の未亡人といった証人たち。インドの複雑な社会環境の中で、階級、宗教、言語、民族など、あらゆる面で異なる世界に身を置いている彼らのそれぞれの私生活と、法廷の中での一つの裁きが多層に重なっていき・・・

監督・脚本:チャイタニヤ・タームハネー プロデューサー:ヴィヴェーク・ゴーンバル 撮影: ムリナール・デサイ 編集:リカヴ・デサイ 音楽:サンバージー・バガト
出演:ヴィーラー・サーティダル、ヴィヴェーク・ゴーンバル、ギーターンジャリ・クルカルニー、プラディープ・ジョーシー
2014年/インド/カラー/2.35:1/マラーティー語、ヒンディー語、英語、グジャラート語/116分/原題: COURT/日本語字幕:小磯千尋
配給:トレノバ 後援:インド大使館

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