2009年、ニューヨークのハドソン川で起こった“奇跡”と賞賛された航空機事故の驚愕の生還劇。その知られざる真実に、クリント・イーストウッド監督と主演トム・ハンクスのアカデミー賞®コンビが迫る、ヒューマンドラマ大作『ハドソン川の奇跡』が大ヒット公開中だ。日本に先駆け、公開された全米で2週連続No.1を獲得し、米評論サイト“Rotten Tomatoes”での観客評価は89%を維持し続けている。さらに早くも2017年度アカデミー賞有力候補の呼び声高く、作品賞、監督賞、主演男優賞など、主要部門でのノミネートが確実視されている。

日本でも、24日(土)より公開となり、2日間で興行収入2億2,518万3800円、動員数17万2,748人、総合ランキングでは「君の名は」に次ぐ成績を記録。近年の映画興行で実写系ドラマ大作が苦戦する中、興行収入&動員数共に実写作品においてはTOPとなり、期待以上の好スタートを切り、興行収入20億円を目指す。その記録を裏付けるようにレビューの評価も高く、Yahoo!映画レビューでは5点満点中4.29点、Flimarksでは5点満点中4.1点、cocoでは満足度100%中93%と抜群の高評価を受けている(9/26時点)。「『あぁ、良い映画だったな』と素直に思えた作品は久しぶり」「ヒーローの後で容疑者になっていたのは知らなかった。ハドソン川への着水シーンは身体中に力が入り搭乗客の1人になっていました」「緊迫した当時の状況をド派手に描くのではなく、トム・ハンクスやアーロン・エッカートをはじめとした俳優たちの表現力とカメラワーク、それらに寄り添うような音楽など、その他様々な技術を総合させて、イーストウッド監督は、見る人の心にずっしりと重く大きな何かを残してくれる」などと高い満足度を示す声がオンライン上を賑わせている。動員客層は、当時の航空機事故をニュースなどで知る40台以上が多い中、大ヒットのイーストウッド監督の前作『アメリカン・スナイパー』を鑑賞した若者層、女性層も目立った。

クリント・イーストウッド監督が、徹底的にリアリティを追及するため、当時の搭乗者をキャストとして起用し、本物のエアバスを購入し機内を撮影、ハドソン川で実際にロケを敢行するなど、こだわり抜いた本作。日本公開直前に、機長、キャビンアテンダント、整備士など航空関係者約150名を招いて実施した試写会でも、劇中で描かれる航空機事故や、国家運輸安全委員会(NTSB)からの追及については、実に99%が「非常にリアル」だと回答し、サリー機長の“究極の決断”と初めて明かされる知られざる物語に、98%が「とても感動した」という。「NTSBの公聴会の厳しさは想像以上でした。時間制限の中、信念を持って判断し行動。機長が最後まで自分の行動に自信を持ち、大勢の前でもブレることなく主張し、チームを称えたことは本当に素晴しかったです」(47歳 機長)「感動という言葉では当てはまらない程のりアリティ。ただただ凄いの一言です」(40歳 キャビンアテンダント)というコメントも寄せられ、実際の現場に従事するプロフェッショナルも太鼓判を押した。

前作『アメリカン・スナイパー』で戦場という極限の状況下における兵士の人間性を鋭く優しく見つめた巨匠イーストウッドが、知られざる“ハドソン川の奇跡”を題材に、今を生きる我々に何を伝えてくれるのか。世界を震わす真実のドラマが幕を開ける。

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執筆者

Yasuhiro Togawa