スペインを代表する巨匠、ペドロ・アルモドバル監督の最新作『ジュリエッタ』(配給:ブロードメディア・スタジオ)が、11月5日(土)より新宿ピカデリー他にて全国公開致します。

 『ジュリエッタ』は、深い哀しみに引き裂かれた母娘のミステリアスな物語で、“女性賛歌3部作”と呼ばれるアルモドバル監督の代表作『オール・アバウト・マイ・マザー』『トーク・トゥ・ハー』『ボルベール〈帰郷〉』にも通じる“運命”と“親子”のテーマを追求するとともに、シンプルかつ深みのある語り口であらゆる世代の胸を打つ、最高傑作とも呼び声高い作品です。

 本作は2016年度カンヌ国際映画祭コンペティション部門へ出品された他、来年2月に開催される第89回アカデミー賞外国語映画賞部門のスペイン代表作品にも選出されており、もし受賞となれば『オール・アバウト・マイ・マザー』以来2度目、同部門の設立以後スペイン人としては初の、そして現在存命の監督の中では唯一の快挙となります。

 主人公ジュリエッタ役にアルモドバル監督はふたりの女優を初めて起用。スペインのベテラン女優エマ・スアレスが“現在”のジュリエッタを演じ、NHKで放送されたTVドラマ「情熱のシーラ」で脚光を浴びた新進女優アドリアーナ・ウガルテが“過去”を演じています。監督は「ペネロペ・クルス、カルメン・マウラ、マリサ・パレデス、セシリア・ロスといった私の女神たちと肩を並べる存在になった」とふたりを絶賛しました。

 原作はカナダのノーベル賞作家アリス・マンローが2004年に発表した『ジュリエット(Runaway)』。ジュリエットという女性を主人公とする三つの連作短篇「チャンス」「すぐに」「沈黙」をアルモドバル監督がひと続きの物語として脚本化しました。

 そしてこの度、予告編映像が解禁!「愛する娘へ 今まで言えなかったすべてを話すわ」と胸の内で語り、自身の過去の秘密を一人静かに、どこにいるともわからない娘への手紙へ綴る“現在”のジュリエッタ。娘アンティアが突然姿を消してしまったあの日から時は更に遡り、“過去”のジュリエッタとその後夫となるショアンとの列車での運命的な出会い、娘と妻のイニシャルのタトゥーを彫った夫に幸せそうにキスをするジュリエッタ、ティーン・エイジャーへと成長し、課外授業へ出発する娘アンティアを笑顔で送り出すジュリエッタの母としての姿など、幸せな一家の思い出が描かれています。そして映像は、失踪した娘からのものと思われる一通の手紙を受け取り、驚き涙する“現在”のジュリエッタの様子が映され、その真相については明かされぬまま気になる展開で締めくくられています。 

◆Youtube予告編URL(全体公開中)=https://youtu.be/W0ihKmcPwn4

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執筆者

Yasuhiro Togawa