『オール・アバウト・マイ・マザー』や『トーク・トゥ・ハー』で知られるスペインを代表する巨匠、ペドロ・アルモドバル監督の最新作『ジュリエッタ』を11月5日(土)より新宿ピカデリー他にて全国公開する運びとなりました。

2016年のカンヌ国際映画祭のコンペティション部門に出品された本作は、「観客を選ばない堂々たる作品」「今年のコンペ21作品の中で最も余韻が残った」と絶賛され、『オール・アバウト・マイ・マザー』(99)、『ボルベール〈帰郷〉』(06)に続き、母と娘の関係を描いた巨匠アルモドバルの原点回帰にして、最高傑作とも呼び声高い作品です。

そして、この度、米映画界最高の栄誉とされる第89回アカデミー賞外国語映画賞部門のスペイン代表作品に本作『ジュリエッタ』が選出されました。

アルモドバル監督は、『神経衰弱ぎりぎりの女たち』『ハイヒール』『私の秘密の花』『オール・アバウト・マイ・マザー』『ボルベール 〈帰郷〉』に続いて、6回目の代表選出となり、スペインでは、カルロス・サウラ、ホセ・ルイス・ガルシと並び、最多の選出回数となりました。もし受賞となれば、『オール・アバウト・マイ・マザー』以来2度目となり、1956年度の第29回の同部門の設立以後、スペイン人としては初の快挙で、現在存命の監督の中で唯一となる(これまで外国語映画賞を2回以上受賞しているのは、フェデリコ・フェリーニの4回、イングマール・ベルイマンの3回、ヴィットリオ・デ・シーカの2回の3人のみ)。注目のノミネート発表は1月24日(現地時間)、授賞式は2月26日(日本時間2月27日)にハリウッドで開催されます。

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執筆者

Yasuhiro Togawa