第16回 TAMA NEW WAVEでは主演男優賞&主演女優賞&グランプリと3冠受賞を果たした堀江貴大(28歳)初長編監督作品『いたくても いたくても』の公開が12月3日(土)より渋谷ユーロスペースにてレイトショーが決定しました。

何と?通販会社が、起死回生の為に通販番組でプロレス団体、設立!選手はプロレス経験もない、しがない社員たち。しかし、ひとりの女性社員を巡って恋の炎に火が付いた男たちは仕事も恋もガチの真剣勝負に挑んでいく・・・!
その卓越したアイデアと往年のハリウッド映画を思わせる恋とファイトの熱き駆け引き。ここに、新時代のエンターテインメントが誕生しました。 堀江貴大監督は濱口竜介、『ディストラクション・ベイビーズ』(16)の真利子哲也など、気鋭の新人監督を生んでいる東京藝術大学大学院映像研究科出身。また、ひとり日本映画界の若き才能が誕生した。

監督コメント

 怪我をして「いってぇ」と涙を流すのは身体がようやく痛みを感じ始めた時で、怪我をしてから少しだけ遅れてやってきます。そして、傷跡は確かなものとして 身体に残り続けます。寒くなるとその古傷が疼き、怪我をした時の記憶や感情を呼び覚まします。
傷を負った本人が失ったものの大切さを感じるのは遅かれ早かれいつも少し後になってからです。そういった鈍感さについての映画を撮ろうと思いました。古傷によって呼び覚まされた感情は、家族や恋人、友人といった人たちをも巻き込みます。この映画で描こうとしたのはそういった痛みの伝播です。
男と女とプロレスがこの映画にはあります。痛くても、その痛みを信じて生きる人たち。『いたくても いたくても』にある手触りを感じてもらえることを願っています。

著名人コメント

『言ってみれば格闘青春映画なのだが、よくこんなことを思いついたと呆れて見ているうちに、ストレートな感動がやってきた。驚くべき才能だ』黒沢清(映画監督)
『プロレスを取るか恋人を取るかは、当然プロレスです。むしろ恋人でさえ、あのリングで受け身を取っていたことに観客は気付くでしょう』坂元裕二(脚本家)
『この作品は、新しい映像作家が生まれた証となる輝きがある。内に煌めき、研ぎすまされ、時に大胆に跳躍する。将来が楽しみな監督です』深川栄洋(映画監督)
『ヤラセの嘘のプロレスだって、脚本に書かれたとおりの映画だって、握ったこぶしは本物だ、流れた汗は本物なのだ!』柳下毅一郎(映画評論家・翻訳家)

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執筆者

Yasuhiro Togawa