ロマンポルノの女王・白川和子がSMクラブのマダム役でカメオ出演。若かったら主演をやりたかった!と脚本を絶賛。
白石監督の秘蔵っ子女優・井端珠里が、映画初主演作で、果敢に濡れ場に初挑戦!
田中登監督ロマンポルノ傑作『牝猫たちの夜』をオマージュし、オリジナル脚本で挑む白石和彌監督の最新作。

白石和彌監督の初ロマンポルノ作品が『牝猫たち』に決定。ロマンポルノの名匠・田中登監督の1972年の作品『牝猫たちの夜』にオマージュを捧げた、白石監督自身の脚本による完全オリジナル作品。田中登監督は、映画としても傑作と名高い『(秘)色情めす市場』の監督で、白石監督は自身の長編デビュー作『ロス・トパラダイス・イン・トーキョー』で本作をオマージュしていたほど。田中登監督の『牝猫たちの夜』は、新宿を舞台に風俗嬢の日常を描いた傑作。白石監督の『牝猫たち』は、池袋で働くデリヘル嬢たちの物語を軸に描かれる群像劇で、ネットカフェ難民、シングルマザー、不妊症…それぞれの悩みを抱えながら、明日に向かって性活する女たちとそれを取り巻く男たちの可笑しくて、ほろりと切ないドラマに仕上がっている。

デリヘル嬢の一人で、主人公を演じるのは、気鋭の女優・井端珠里。白石監督は、約10年前の師匠・若松孝二監督の『17歳の風景』の助監督としてついていた際、井端を若松監督に推薦していた。10年後の再会で運命的なものを感じ、主演に抜擢した。
井端は、濡れ場にも果敢に挑戦し、さらにロマンポルノの女王・白川和子の前で亀甲縛りの姿も披露している。ロマンポルノで描かれ続けてきた逞しく生きる等身大の現代女性の心情を描いた本作が映画初主演となった。

本作にはロマンポルノの女王・白川和子が、SMクラブのマダム役としてカメオ出演。白川和子は、日活ロマンポルノの記念すべき
第一作目『団地妻 昼下がりの情事』に出演し、日活ロマンポルノのトップ女優に。白石監督の『凶悪』にも出演しており、白石組は
2作目となる。先生(リリー・フランキー)と須藤(ピエール瀧)によって殺害される第一の被害者、牛場悟(ジジ・ぶぅ)の妻・牛場百合枝を演じ強烈な印象を残していた。今回、白石和彌監督の脚本を読んで「脚本(ホン)が素敵だったから、私が若い頃にこの脚本と出会っていたら主演をやりたかったな。」と絶賛している。

井端珠里(いはた・じゅり) (28)コメント 
約10年ぶりに白石監督と再会して、主演という形でこの作品に参加することができてとても嬉しいです。
『17歳の風景』の頃はまだ10代だったのですが、まさかこのような形で監督とご一緒させていただくことになるとは思いもしませんでした。ロマンポルノは映画好きの友達に薦められて18歳の時に観てから知っていました。歴史あるレーベルが復活し、そこに女優として参加できることに大変ありがたく思っています。現場では、白川和子さんに、あたたかく励ましていただいて非常に心強かったです。SMクラブのシーンでは縛られたまま待機することもあり、かなり辛かったです・・・(笑)女優として初めての濡れ場で、覚悟はできていましたが、一人の女として100%踏み切れていない部分がありました。完成した作品を観て涙が溢れてきました。白石監督の愛を感じて、全てが昇華できました。白石監督の作品で挑戦できてよかったです。

白川和子(しらかわ・かずこ) (68)コメント 
脚本(ホン)が素敵だったから、若い頃にこの脚本と出会っていたら主演をやりたかったなと思いました。
45年前だったら団地妻のように、ものすごくヒットしたのではないでしょうか。私たちが愛したロマンポルノが復活するということで、
もちろん私は脱いでいませんが(笑)、一肌脱げればと思い、すこしだけ出演させいただいております。

白石和彌監督 コメント
若松孝二監督の『17歳の風景』の時、まだ僕が助監督だった頃に若松監督に井端珠里を推したのが最初の出会いです。
そこから10年ぐらい経って今年公開した足立正生監督の『断食芸人』に出演して、俳優としてがんばっている彼女の姿を見て運命的なものを感じました。(撮影を)はじめる前から物語がある関係性を大事にしたかったし、彼女に主演を任せたいと思ったとき、全く迷いはありませんでした。完成した作品では期待とおり、期待以上にがんばってくれています。

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執筆者

Yasuhiro Togawa