世界的に知られる自然写真家、星野道夫。没後20年にあたる本年は大規模な個展が開催され、雑誌他のメディアでも特集が組まれています。20年を経た今、彼の仕事から何を学ぶべきでしょうか。2016年10月公開予定の、オランダの自然保護区を追ったドキュメンタリー『あたらしい野生の地—リワイルディング』の全国上映応援プロジェクトの一環として、チームリワイルディングのメンバー赤阪友昭、管啓次郎が今語り継がれるべき星野道夫の世界を紹介する、トークイベントをシリーズで開催します。

生態系復元のプロセスや動植物の生き生きとしたあり方を美しい映像で描いたこの映画作品は、自然の圧倒的な素晴らしさを教えてくれるだけでなく、自然と敵対しない持続可能な社会の未来を想像させ、人が手を放して見守るという実践を学ぶ機会を与えてくれます。それは『森と氷河と鯨』から20年経った今、「人は自然とどのように生きてゆくのか」という星野が遺した問いに対する、ひとつの答えとなるかもしれません。

【イベント概要】
VOL.1 「ハイダ・グワイの神話 —古代の叡智が教える未来へ」 星野道夫を語り継ぐこと
出演:赤阪友昭(写真家)
8月21日(日)15:00〜17:00 (14:30開場)
http://bookandbeer.com/event/20160821_a_michio1/

VOL.2 「南東アラスカの森と氷河、 ジュノーの旅からオランダへ」 星野道夫を語り継ぐこと 
出演:管啓次郎(詩人)
8月27日(土)15:00〜17:00 (14:30開場)
http://bookandbeer.com/event/20160827_a_michio2/

場所:本屋B&B(世田谷区北沢2-12-4 第2マツヤビル2F)
入場料 :1500yen + 1 drink order

【『あたらしい野生の地—リワイルディング』 映画概要】
世界でもっとも人口密度の高い国オランダ、その首都アムステルダムから北東50キロの海沿いに位置する6000ヘクタール程の小さな自然保護区「オーストファールテルスプラッセン」。もともとは1968年に行われた干拓事業の失敗で放置された人工の地だった。しかし、人に忘れられたその土地に、わずか45年で自然はあたらしい命を育み、野生の楽園を築きあげていた! 都市近郊に広がる命の宝庫のようなこの土地で、生を謳歌し死と対峙する生き物たちの一年を、崇高なまでに美しい映像が綴る。なかでも、目を引くのがリワイルディング(再野生化)に成功したコニック(馬)の一群だ。自然界で一度は絶滅した種がこの地で繁殖し、数千頭が群れをなして大草原を駆け抜けるシーンは圧巻。人が手放した場所で紡がれる生きもの達の見えない相関図は、いかにして大地がみずからを回復していくのか、そのプロセスを明らかにしてくれる。

【リワイルディング(再野生化)とは】
一度自然界で絶滅した動物種を、ふたたびその土地に放ち、失われた生態系を取り戻そうとする試み。他にはオランダやポーランドでヨーロッパバイソンの、アメリカのイエローストーン国立公園でオオカミの、再野生化が成功した事例がある。

『あたらしい野生の地—リワイルディング』 監督:ルーベン・スミット、マルク・フェルケルク
(2013年/オランダ語/97分/カラー/シネスコ/オランダ/提供:チームRewilding/配給・宣伝:メジロフィルムズ)

提供の「チームRewilding」はこの映画の配給のために結成されたチームです。メンバーは管啓次郎(詩人・明治大学教授)、赤阪友昭(写真家)、古木洋平(映像作家)ほか、有志の人々とメジロフィルムズです。
全国上映に向けてのクラウドファンディングを実施中です。
https://motion-gallery.net/projects/rewilding

【公開表記】2016年10月渋谷アップリンク他、全国順次公開予定
【クレジット】なし
【海外版予告】 https://vimeo.com/73367945
【公式サイト】http://rewilding.mejirofilms.com/
【各種SNS】
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執筆者

Yasuhiro Togawa