園子温監督が、ロマンポルノに挑んだ新作のタイトルが『アンチポルノ』に決定し、園監督が今最も期待する女優・冨手麻妙が初主演を務めます。さらに本作が、現地日程9月7日(水)より開催されるフランスの【第22回エトランジェ映画祭コンペティション部門】と、現地日程10月6日(木)より開催されるスペインの【第49回シッチェス・カタロニア国際映画祭コンペティション部門】へ正式招待されることも決定し、日活ロマンポルノとして初めて国際映画祭のコンペティション部門へ招待された塩田明彦監督の『風に濡れた女』に続く、国際映画祭でのワールドプレミア上映となります。

鬼才・園子温が、作品タイトル『アンチポルノ』で、ロマンポルノに真っ向勝負!
園の新ミューズに、本作が初主演&初脱ぎ&初映画祭となる元AKB研究生の女優・冨手麻妙!
エトランジェ&シッチェス国際映画祭のコンペティション部門に正式招待が決定!

園子温監督の初ロマンポルノ作品のタイトルが『アンチポルノ』に決定。本作は、生誕45周年を記念したロマンポルノリブートプロジェクトの一環で製作された作品で、28年ぶりに完全オリジナルの新作を公開するという企画。園子温監督のほか、塩田明彦監督、白石和彌監督、中田秀夫監督、行定勲監督ら第一線で活躍する監督が揃って参加することから、すでに注目が集まっております。

そして今回、園監督の『アンチポルノ』の主演を務めたのは、『新宿スワン』(15)、『リアル鬼ごっこ』(15)『みんな!エスパーだよ!』(15)と、昨年たて続けに公開された園作品のほぼ全てに出演し、園子温監督から厚く信頼される若手女優の冨手麻妙。2009年AKB48の第8期研究生オーディションに合格し活動していましたが、女優を目指すため退き、本作が長編映画として単独の初主演となりました。本作で、初めてヌードを披露しています。出演した若手俳優が次々とブレイクしている鬼才・園監督が見初めた新しいミューズとして、冨手麻妙は、文字通り一肌脱いで難しい役所に体当たりで挑戦しています。

そしてこの度、本作が第22回エトランジェ映画祭のコンペティション部門、第49回シッチェス・カタロニア国際映画祭コンペティション部門へ正式招待されることが決定いたしました。
先日閉幕した第69回ロカルノ国際映画祭にて、本プロジェクトの1本である塩田明彦監督『風に濡れた女』が日活ロマンポルノとして初めて国際映画祭のコンペティション部門でワールドプレミア上映され、ロマンポルノ自体が海外から注目を集めていることから本作に関してさらに期待が高まってきております。

園子温監督 コメント
<主演・冨手麻妙の魅力について>
『新宿スワン』、『みんな!エスパーだよ!』、『リアル鬼ごっこ』、米国MTV製作の短編集「MADLY」の中の”Love of Love”と彼女を続けて起用して、その女優としての才能が開花していく様に常に着目してきました。個性的な魅力,豊な肉体、そして並外れた演技力を持つ彼女を晴れて主演として迎えられたことで、はじめて作品が成立したと言って過言ではありません。彼女以外の主演はありえませんでした。

<映画祭からの招待について>
私が大好きなフランスとスペインの二つの映画祭でいち早く上映されることは大変光栄に思います。エトランジェ映画祭での私の数々の作品の上映はそれぞれ忘れがたい大切な思い出です。また、シッチェス・カタロニア国際映画祭では、昨年Time Machine Awardという栄誉ある賞をいただきました。長年支持をしてくれている、この二つの映画祭に感謝をいたします。

冨手麻妙(とみて・あみ) (22)コメント
<園監督作品に出演することになって>
私が映画を好きになったきっかけは、『自殺サークル』を観て園子温監督のファンになった時からです。“園子温監督映画で主演を演じる!”というのが私の目標でした。数年前の自分のインタビュー記事を読んで振り返ってみると、とにかく園さんの作品で演じたいと色々なところで熱弁してました。そして演じるからには絶対主演!と思っていました。 ある時“行動あるのみ”だと思い立ち、園監督のトークショーを観にいき、その後に出待ちしました。「冨手麻妙です!!女優やってます!」と自己紹介したのが園監督との出会いです。数日後、事務所に出演依頼の電話が鳴って『新宿スワン』の出演オファーがあり、そこで初めて園監督に私の芝居を見てもらい、その後続けて園監督の作品に出演させていただきました。毎回、園監督の作品に参加するたび、役を与えてくださってる園監督への感謝と共に、自分ではない主演の役者さんへのジェラシーというか、悔しさみたいなのがすごく生まれていて、次は絶対自分が主演をやるぞと心の中で思っていました。なんだかすごくギラギラしてました(笑)。園さんから『アンチポルノ』の話をされたときは、涙が出るくらいとにかく嬉しかったし、緊張したし、ワクワクしましたね。私の気合いを見せつけてやろう!と現場でもギラギラしてました(笑)。

<ヌードにも挑戦したことについて>
抵抗は全くなかったです。むしろ、「よっしゃー!脱ぐぞー!!」って感じで(笑)。自分が好きな女優さんはみんなスクリーンの中でヌードになっていて、それがすごくかっこいいし美しかったんですよ。だからもともとヌードに対して良いイメージを持っていました。女優として生きていくには、自分のことを全部ハダカにしないといけないし、そういう意味でも丸裸になってスタートラインに立てた気がします。やっと産まれました(笑)。

<本作が、2つの映画祭にコンペティション部門で正式招待されたことについて>
これは本当に嬉しかったです。自分の作品が海を渡って海外に行く。世界中の人たちに観てもらえるってすごいことです。『リアル鬼ごっこ』も日本と海外で評価や感想が全く違ったんです。『アンチポルノ』も、日本人とは違った文化を持つ海外の人たちが観て、どんな感想を抱くのか、反応が楽しみで仕方がないです。

<ロマンポルノについて>
美保純さんが好きなので、『ピンクのカーテン』が好きです。私の周りの友人にも日活ロマンポルノが好きな女性が多いんですよね。今回の作品も、男性だけでなく、女性に観ていただきたいです。内容的には、むしろ女性に特に見ていただきたいですね。

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執筆者

Yasuhiro Togawa