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◆今回解禁された本編一部映像は、隣人アドリアンが主人公コスティに宝探しの話を持ちかける重要なシーンである。ある日、借金の返済に追われた隣人アドリアンがコスティにお金を貸してほしいと頼みに来る。しかし、親子3人で慎ましく暮らしているコスティの家庭に他人を助けられるようなお金は無く、コスティはアドリアンの頼みをきっぱりと断る。それでもめげないアドリアンは再度コスティ宅を訪問し、彼に先祖の宝探しを手伝ってほしいと持ちかける。どうやらアドリアンの曽祖父は共産党の台頭前に自分が住んでいた村に宝を埋めたらしいというのだ。そして、その宝を探すための金属探知機の業者を雇う金を負担してほしいと相談する。突拍子もない提案に戸惑うコスティ。表情の乏しい彼はますます無表情になり目をそらしてしまう。決して余裕のある生活ではないコスティ一家にとって宝探しの金銭的援助は大きなカケだった。果たしてコスティはこの話に乗るのだろうか?

◆近年、ルーマニアは『4ヶ月、3週と2日』でカンヌ映画祭パルムドールを受賞、今年の第69回カンヌ国際映画祭コンペティション部門監督賞を受賞した『グラデュエーション(英題)』のムンジウ監督や『私の、息子』でベルリン映画祭金熊賞を受賞したネッツアー監督の登場などで「映画新興国」として非常に注目を浴びている。そして、本作『トレジャー オトナタチの贈り物。』のメガホンをとったのは“ルーマニアン・ニューウェーブ”の旗手と呼ばれるコルネリュ・ポルンボユ監督。

◆もう一つの注目ポイントはエンディング曲に流れる1980年代に日本でも人気を博した実験音楽バンド、ライバッハの楽曲「オプス・デイ(Life is Life)」である。一度聴いたらなかなか耳から離れないこの怪曲は、本作の象徴として登場するのでぜひ劇場でチェックしてほしい。

本編映像
https://youtu.be/5oW7LXNqIQQ

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執筆者

Yasuhiro Togawa