日本映画黄金期を体現する——女優・香川京子
ラブコメディから時代劇、ホームドラマから社会派まで、色とりどりの傑作１０本を上映！

率直で素朴な演技、明るく清潔な佇まいが、今も昔も愛される香川京子。早くからフリーの俳優として活躍し、成瀬巳喜男、溝口健二、小津安二郎、黒澤明……あまたの巨匠たちの作品に勢力的な出演を続けました。今回は、多彩な衣装に身を包み多様な演技を見せた、貴重な作品10本をラピュタ阿佐ヶ谷にて上映いたします。

オープニングを飾るのは、成瀬巳喜男監督の『おかあさん』です。当時フランスでも上映され高い評価を得たこの作品は、自身も「笑いあり涙ありの、誰もが愛するお手本のような映画」と語る珠玉の一本。森繁久彌と共演した『いらっしゃいませ』では弾けるアプレ娘を演じて好評を得、女子学生に実地取材を敢行して撮影にのぞんだ『奥様は大学生』では、夫婦生活のいろいろな苦労を乗り越えながら喜びを見つけていく、「学生女房」の成長を見事に演じ切りました。

大手映画会社から離れた場所で、独立プロダクションの社会派作品にも挑戦し、『ともしび』では幼い弟と二人暮らしをする貧しい娘をたくましく演じました。また市川雷蔵との『大阪物語』、長谷川一夫との『疵千両』、中村勘三郎との『赤い陣羽織』といった、

10月には、香川さんご本人をお招きしてのトークイベントも予定しております。
日本映画をかけめぐる香川京子の、ジャンルを問わぬ10本にご期待のうえ、　是非ともラピュタ阿佐ヶ谷へお越しくださいませ！

特集上映：
『昭和の銀幕に輝くヒロイン第82弾　香川京子』
　　
開催期間：
2016年8月28日(日) 〜 2016年11月5日(土)　連日10:30より上映 ※9月12日（月）はメンテナンスのため休館

会場：
ラピュタ阿佐ヶ谷

上映作品：
『おかあさん』（1952年/成瀬巳喜男）　　『ともしび』（1954年/家城巳代治）　　『青銅の基督』（1955年/渋谷実）　　『いらっしゃいませ』（1955年/瑞穂春海）
『愛すればこそ』（1955年/吉村公三郎、今井正、山本薩夫）　　『奥様は大学生』（1956年/杉江敏男）
『大阪物語』（1957年/吉村公三郎）　　『赤い陣羽織』（1958年/山本薩夫）　　『疵千両』（1960年/田中徳三）　　『早乙女家の娘たち』（1962年/久松静児）

執筆者

Yasuhiro Togawa