婚活大国ニッポンにおいて、現在結婚相談所は全国に約4000社、利用者は60万人と言われています。長寿化、核家族化に伴い結婚観は変化し、年金制度改革による熟年離婚件数は急増。65歳以上の1人暮らしは約600万人。65歳以上の男性の5人に1人、女性の2人に1人が独身という昨今、熟年婚活の倍増に目を付けて、金持ち男の後妻に入り財産を奪うのが、<後妻業の女>です。この度、そんな<後妻業の女>をテーマにした、直木賞作家・黒川博行による小説「後妻業」を原作に、ドラマや映画で多くの社会派作品を手がけてきた名匠・鶴橋康夫が監督を務め、『後妻業の女』として映画化いたしました。

そしてこの度映画の公開を記念し、8月20日より ビッグコミックオリジナル(小学館) にて、漫画連載されることが決定しました。漫画化を担当するのは、読者の心を抉る描写の中に滲む人間賛歌のストーリーを紡ぎあげることで定評のある村上たかし。小説や映画のコミカライズを手掛けるのは初の試みという同氏は2000年に、祖父と孫娘の日常を描いた4コマ漫画「ぱじ」で第4回文化庁メディア芸術祭優秀賞を受賞。2008年には漫画アクション(双葉社)誌上で自身初のストーリー作品である「星守る犬」を発表し、54万部を超えるセールスを記録しています。「書店員が薦める一冊」として話題となったこの「星守る犬」は2011年に西田敏行を主演に迎えて映画化もされ、日本中に感動を届けました。

今回のコミカライズにあたって村上氏が決まった経緯として、映画プロデューサーの臼井央は、「関西弁によるつばぜり合いで構成されていく話なので、作者が関西出身という点はできれば外したくない。その中で人間喜劇を描ける方なら尚良いですが…、と小学館さんにお願いしたところ、これ以上ない方に筆をとって頂けることになりました。」とコメント。欲望にまかせて悪事を働く主人公“小夜子”の奔放な生き様と、孤独による哀切が表裏一体となった、愛とお金の人間喜劇である本作。映画ともども村上氏が描く漫画「後妻業の女」にも是非ご期待ください。

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執筆者

Yasuhiro Togawa