いつの時代も“音楽”映画は人の心を捉えて離さないもの。8月は、出会うはずのなかった異色のコラボレーションが思わぬ感動と化学反応をひき起こす、一風変わった音楽映画が続けて公開される!

パキスタン伝統音楽×ニューヨークジャズで世界を動かす!『ソング・オブ・ラホール』8/13公開
長い歴史と豊かな文化を誇るパキスタン・イスラム共和国の街ラホール。過激なイスラーム原理主義の影響で音楽文化は衰退し、伝統音楽家たちは転職を余儀なくされていた。危機感をつのらせた彼らは聴衆を取り戻すため、畑違いのジャズに挑戦し世界に打って出た!本作は、彼らが結成したサッチャル・ジャズ・アンサンブルの超絶演奏が世界中を虜にするまでの紆余曲折を追うドキュメンタリー。昔気質で職人肌のおじさんたちが、異なるフィールドで大いに戸惑いながら、必死に職人魂で乗り越えていく、その真剣な姿に誰もがおかしみと愛しさを感じ、思わず応援したくなる!監督は、2度目のアカデミー賞を受賞したパキスタン人女性シャルミーン・ウベード=チナーイらが務め、音楽への愛に溢れる彼らの人生と圧巻の演奏をカメラに収めた。

クラシック音楽×スラム街の子供たちによる感動の実話 『ストリート・オーケストラ』8/13公開
貧困がはびこり、防音の教室なんてもちろんないスラム街の子供たちによって、“クラシック”の交響楽団が結成され、自身の運命やブラジル社会を動かした奇跡の実話を描く。物語は、ブラジルの名門交響楽団のオーディションに落選したヴァイオリニストのラエルチが、スラム街の学校で音楽教師を務めることから始まり、やがて暴力以外にも音楽に人を変える力があることを教えていくが…。監督は、ベルリン国際映画祭の金熊賞を受賞した『セントラル・ステーション』で助監督を務めたセルジオ・マシャード。

ヒップホップ選手権×ギネス認定・超個性的おばあちゃん集団 『はじまりはヒップホップ』8/27公開
ギネス公認世界最高齢ダンスグループによる、ラスベガス・世界最大のヒップホップ選手権への挑戦を追った笑いと涙のドキュメンタリー。ニュージーランド・ワイヘキ島で誕生した、平均年齢83歳のダンスグループ“The Hip Op-eration Crew”が、エンターテインメントの最高峰・ラスベガスで行われる世界最大のヒップホップダンス選手権出場を目指す模様を描く。その大いなる挑戦は、BBCやウォール・ストリート・ジャーナルでも報じられ、現地アメリカで旋風を起こし、彼らの活動を知ったプロからミュージックビデオの撮影や楽曲の提供のオファーが来るなど、多くの人を動かしていく。

映画『ソング・オブ・ラホール』は8/13より、渋谷ユーロスペースほか全国順次ロードショー。

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執筆者

Yasuhiro Togawa