2009年にニューヨークのハドソン川で起こった“奇跡”と賞賛された航空機事故の驚愕の生存劇。その隠された真実を、常に映画を通して時代と寄り添ってきたクリント・イーストウッド監督ならではの視点で突きつける話題作『ハドソン川の奇跡』が9月24日(土)より公開となる。そしてこの度、全米で早くも2017年度アカデミー賞有力候補の呼び声高い本作の劇場ポスターが解禁! トム・ハンクスが演じる乗員乗客155人全員の命を救った主人公サレンバーガー機長の姿と衝撃的なコピーが描かれ、前作『アメリカン・スナイパー』に続き日本でも話題になることが間違いなさそうだ。

2009年1月15日、厳冬のニューヨーク。大ベテランの操縦士サレンバーガー機長はいつも通り安全運転を心掛けながらその日も飛行機に乗り込んだ。しかし、160万人が住む大都会ニューヨーク・マンハッタンの上空850メートルで、突如全エンジンが完全に停止。70トンの機体が制御不能に陥り、このままでは乗客の命はおろか、ニューヨークの街中に墜落するかもしれないというニューヨーク市民の命に危機が迫る中、機長はハドソン川に着水させることを決断。乗客155人全員生存という奇跡の生還劇を成し遂げ、世界中が目撃した奇跡の事故は、男を国民的英雄にした。

しかし、機長の“究極の決断”に思わぬ疑惑が掛けられてしまう。本当に不時着以外の選択肢はなかったのか? それは乗客たちを命の危機に晒す無茶な判断ではなかったのか? 揺れる世論。そこに重なる様々な思惑の中、機長は殺人未遂の罪に問われることに……。一夜にして英雄となった男が、一瞬にして容疑者へ。160万人の命を危険にさらす大惨事を救ったのに、なぜ誰一人の命も落とさなかった彼が、容疑者になってしまったのか?
ポスターには飛行機の窓越しにハンクス演じる機長の姿が映し出される。遠くを見つめる彼の表情は、決して明るいものではなく、この先彼に待ち受ける過酷な運命を表現しているようにも見てとれる。そして印象的な“155人の命を救い、容疑者になった男”というキャッチコピーが意味するものとは!?果たして?
主演はオスカー俳優トム・ハンクス。『フォレスト・ガンプ/一期一会』(94年公開)、『フィラデルフィア』(93年公開)で2年連続アカデミー主演男優賞を受賞し、イーストウッドと初タッグとなる本作で3度目の受賞を狙う。監督は、映画の神として愛されるクリント・イーストウッド。74歳の時に『ミリオンダラー・ベイビー』でアカデミー賞監督賞の最高年齢記録を樹立し、85歳で全世界興行収入600億円という自身のキャリア史上最大のヒットを記録した『アメリカン・スナイパー』を監督。精力的に活動を続けるイーストウッドは、「映画を撮るたびに毎回新しいことを学ぶんだ。自分についても他人についても。それが本当に楽しいんだよ」と今なお現役で映画製作を続ける秘訣を明かしている。作品を撮る度に発見があり、それをまた次に活かすという姿勢があるからこそ、キャリアを積む度に作品をヒットに導いているのかもしれない。さらに、本作での新しいチャレンジについては「映画作りにはいつも違うチャレンジがある。今回はフィクションではなく真実の物語なんだ。だから登場人物全ての人を再現することに力を尽くした。サリー機長の人間性をしっかりと描きたかったんだ」と衝撃の事実に隠された裏側だけではなく、彼がどんな運命を背負い、その時彼はどんな思いだったのかを描く。
誰が“奇跡”を裁くのか? イーストウッドが観る者に伝えたかった真実とは? 衝撃の実話の裏側に隠された真実がいま、本作『ハドソン川の奇跡』で明らかとなる。

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執筆者

Yasuhiro Togawa