『マイティ・ソー』シリーズのロキ役で大ブレイクし、現在“ポスト ジェームズ・ボンド”の最有力候補として世界中から熱い視線を集めるイケメン俳優トム・ヒドルストン他、世界的人気を誇る英国俳優たちが勢揃いし、SF小説の巨匠、J・G・バラードの原作を完全映画化した『ハイ・ライズ』が8月6日(土)よりヒューマントラストシネマ渋谷他にて全国順次公開となります。

本作の舞台となる新築タワーマンション(=ハイ・ライズ)はラグジュアリーな内装や抜群の眺望のみならず、ありとあらゆる設備が整い、人々の生活の夢を具現化したかのような理想の住居空間。上階に行くにつれ住民が富裕層になっていく40階建ての高層マンションでパーティ三昧の贅沢な毎日を過ごしていたセレブたちが堕落し、じわじわと崩壊していく様子をミステリアスかつアーティスティックな映像美で描いていく。
この度、出演者とスタッフ達が作品の謎をひもとく本作の特別映像が解禁となります!

この誰もがうらやむ理想郷で次第に過激になっていくカオスな階級闘争を通じて描かれるのは、人間の排他性や理性の崩壊、ひとつの概念の終わりなど、ブラックユーモアとも取れる現代社会への痛烈な皮肉だ。
「クラッシュ」に続いてバラード原作を映画化し、『戦場のメリークリスマス』などの名プロデューサーであるジェレミー・トーマスが原作映像化の権利を持ち、監督を探していたところを自分から名乗りを上げたのが本作の監督を務めたベン・ウィートリー。彼はトーマスが想定していた現代的な設定への置き換えでなく、原作そのままに1975年を舞台に描くことに強いこだわりを持っていたという。監督は、75年に発表された原作を「映画化するには今が絶好の時期だと思った」と語り、「小説というより新聞を読むように毎日のように何かが起きる物語だ。バラードはかなり正確に未来の状況を予測していた」と説明する。

25階に住む主人公の医師ラングを演じ、出演オファーよりも前に原作を読んでおりとても気に入っていたことが出演のきっかけになったというヒドルストンは、「脚本は明快でおもしろくて陰気で真実で感銘を受けた」と映画の魅力を説明する。このマンションの設計士で最上階に住むロイヤルを演じ、『栄光のランナー 1936ベルリン』や『奇蹟がくれた数式』など今後日本で出演作公開が相次ぐジェレミー・アイアンズは、「脚本の階級制度のとらえ方が、とても現代的だと思えた。人間の行動に関しても同じだ」と語る。低層階に住みマンションで起こる階級闘争の鍵を握るTVディレクターのワイルダーを演じ、先日も米サイトWe Got This Coveredで本年上半期ベスト演技第3位に選ばれるなどその演技が高く評価されているルーク・エヴァンスは、「抑制されたものが解放され、人々に潜む獣性が明らかになる作品」と説明する。ラングの上階に住み、彼と濃密な関係を持つことになるパーティ狂の美女シャーロットを演じるシエナ・ミラーは、本作が象徴するものとして、「秩序が崩壊した時に変化する人々の様子だわ」と指摘し、「社会が崩壊した時に本性を現してイカれていく」と続ける。その他もスタッフ達の言葉からも、彼らは共通して70年代を通して現代を痛烈に描きだす点に魅力とオリジナリティを感じているようだ。トーマスは「バラードのファンや彼本人が求めたように物語が表現されている。映画で起きる騒動はまるで終わらないパーティのようだ。みなぎるエネルギーが見る人に伝わるだろう」と自信を込める。
映画でも使用される不穏な雰囲気のBGMに乗せて本作の本編シーンやメイキングも収められ、映画公開前の予習として見るのにピッタリの映像となっている。

また、ティザービジュアル、本ビジュアルに続いて、ラングの堕落バージョンチラシが登場! 全身が水色のペンキにまみれた物憂げな表情で首を傾げ、裾を膝までまくり上げたヒドルストンの魅力が炸裂するビジュアルとなっている。コピーとして「さよなら理想郷(ユートピア)」と書かれており、ラングがユートピアの成れの果てにたどり着く境地が気になるところだ。このチラシは本作の上映劇場にて配布中(一部劇場を除く)。

特別映像
https://www.youtube.com/watch?v=TfsTfagplzE&feature=youtu.be

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執筆者

Yasuhiro Togawa