来年 1 月有楽町スバル座でロードショー公開される「惑う After the Rain」が、今月 22 日からソウルの九老区で行われる「ソウル九老国際児童映画祭 2016」の長編コンペティション部門にノミネートされることがわかった。
今回ノミネートが決まった、『ソウル九老国際児童映画祭』は、ソウル市九老区が「映画を通じて子どもとコミュニケーションし、夢を育てる」という趣旨で 2013 年からスタート、今年で 4 回目を数える。これまでもアニメ作品などで日本映画が招待されてきたが、実写長編がノミネートされるのは初めて。

本作は、静岡県三島市で「未来を創る人をつくる」ことを目標とした市民参加型映画プロジェクトの一環で作られた。中心となった「NPO 法人みしまびと」が、「ものが たり法人 FireWorks」と共同製作。総務省や全国各地から、極めて画期的な地方創生の取り組みとして注目を集めている。ご当地の静岡県では本年 11 月に先行公開されることも既に決定している。監督は北野武や黒沢清の助監督を経て『ふるさとがえり』『空飛ぶ金魚と世界のひみつ』など手がけてきた林弘樹。

長編劇場監督作品 5 作品目となる本作でコンペティション部門グランプリを狙う。

●出演者コメント
佐藤仁美(長女・石川いずみ役)
主演を務めさせて頂く喜びより不安の方が大きかったです。撮影も順調とは言えない状況で集中するのが大変でした。
劇中では「長女」という立場です。人は親、姉妹、友達と様々な立場である事が当前なわけですが、改めて考えさせられました。周りの人達への考え方や接し方、思いやり、感謝。その人達のおかげで生かされてるんだと思って演じました。
映画祭への出品は嬉しいです。必ず伝わると思います。私が思う映画のテーマは「思いやり」でした。改めて「家族」を想う機会になれば幸いです。

中西美帆(次女・石川かえで役)
韓国は家族を大切にする国だと聞いています。その国での本作の出品、とても嬉しく思います。ロケ地である三島には撮影前からホームステイをして多くの市民と交流し、個人的にも大好きな町になりました。
本作は、ゆるやかな時間の中で日本の文化や自然の美しさが盛り込まれた作品です。日本舞踊はスタッフ一同で丹精を込めたシーンです。そして、家族という普遍的なテーマは国内外を問わず全ての方の琴線に触れ、必ず楽しんで頂けると思います。

小市慢太郎(父・石川誠志郎役)
「映画を通じて子どもとコミュニケーションし、夢を育てる」という素晴らしい趣旨の『ソウル九老国際児童映画祭』に出品が決まったこと、とても嬉しく思います。本作品は日本の三島の人々、スタッフ、キャスト、一丸となって心を込めて作ったものです。私にとっても、非常に思い出深い作品です。日本の美しい風景とすべての世界の核である『家族』の物語が、皆様に愛されることを願います。

宮崎美子(母・石川イト役)
ソウルの皆さまに観ていただけること、大変光栄に思います。どんな家族にもそれぞれのドラマがあると思います。そして、血の繋がりだけが家族の証でもありません。ひとつの家族の物語を心を込めて丁寧に描くことで、人と人が支えあうことの尊さを伝えられたらと思います。
三島の皆さんと一緒に作り上げた映画です。三島は富士山のふもとの美しい町、美味しい食べ物もたくさんあります。皆さんにぜひお越しください

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執筆者

Yasuhiro Togawa