一生に一度しか巡り会えない、永遠に心に刻まれる狂おしいほどの恋—。

平素は格別のご厚情を賜り、ありがたく御礼を申し上げます。
この度、2006年版「この恋愛小説がすごい」1位に輝いた、島本理生原作の恋愛小説「ナラタージュ」を映画化、2017年秋に東宝=アスミック・エースで共同配給する運びとなりました。 

原作は、第25回野間文芸新人賞を最年少で受賞した島本理生(しまもとりお)が、20歳の若さで執筆した、狂おしいほど純粋に禁断の恋に落ちる二人を描いた恋愛小説「ナラタージュ」(2005年角川書店刊。累計発行部数35万部)。“ナラタージュ”(映画や演劇において人物の語りや回想によって過去を再現する手法)というタイトルの意味通り、ヒロインの回想によって構築されたこの小説は、スキャンダラスな内容ながらその文芸的評価も高く、第18回山本周五郎賞候補にも選ばれ、発売当時の文学界に大きな衝撃を与えました。

発売から11年。原作に出会ってから長年にわたり映画化を熱望し、企画・構想を温めてきた、恋愛映画の名手・行定勲監督(『世界の中心で、愛をさけぶ』『春の雪』)によって、満を持しての映画化が決定いたしました。
高校教師と生徒として出会った二人が、時が経ち再会した後、決して許されはしない、けれど、一生に一度しか巡り会えない究極の恋に落ちる—。眩いばかりのふたりの想いが放つ光と、思いあうほどに濃くなる純愛の陰影を、同時に紡ぎ出します。

主人公:葉山貴司(はやま たかし)役には、高視聴率をたたき出したドラマ「99.9 −刑事事件専門弁護士—」でもその圧倒的な個性と際立つ存在感を見せつけた、松本潤(まつもと じゅん)。『花より男子F』や『陽だまりの彼女』など、これまでの恋愛映画で見せてきたまっすぐな青年役とは違う、許されない恋に悩みながらも思いに抗えない高校教師・葉山を演じます。
葉山を全身全霊で愛する20歳の工藤泉(くどう いずみ)役には、『映画 ビリギャル』で第39回日本アカデミー賞優秀主演女優賞および新人俳優賞を受賞し、2017年にはNHK朝の連続テレビ小説「ひよっこ」の主演にも選ばれた有村架純(ありむら かすみ)。全てを捧げてもいいと思える恋に、身も心もさらけ出し突き進む女子大生を、体当たりの演技で挑みます。
二人は行定監督とは共に初タッグ、映画初共演となります。恋愛映画史上最大のセンセーションともいえる、3人が織りなす化学反応にも、是非ご注目ください。

本作は7月初旬にクランクイン。劇場公開は2017年秋予定となっております。

キャストコメント
■葉山貴司(はやま たかし)役: 松本潤(まつもと じゅん)
「僕が君を必要としていたのは本当で——君が僕を救ってくれたんだ」
社会科の高校教師で演劇部の顧問。学校になじめない泉を演劇部に誘う。生徒思いだが、ある過去の出来事によって、逃れられない影を背負っている。

●松本潤 コメント:
行定監督がこの映画で描きたいと仰ったテーマに強く共鳴し、ただいま撮影に参加させてもらっています。
恋愛というのは、感じ方や受け取り方が人それぞれ違うモノだと思います。
でも人の心が人の心を動かす瞬間は誰もが共感してもらえるモノだと信じています。
有村さんと一緒に、清らかであるのと同じ程、苦しい心模様を表現していきたいです。
キャスト含む、全スタッフ一丸となって頑張ります。

■工藤泉(くどう いずみ)役: 有村架純(ありむら かすみ)
「先生、私には、あなたでした。居場所のなかった私を、救ってくれたのは、あなただったんです。」
孤独に苛まれていた高校生活を、葉山によって救われる。大学進学後、葉山からの誘いにより、後輩の卒業公演に参加することに。再会によって、忘れようとしていた葉山への想いが抑えられなくなる。

●有村架純 コメント:
映画「ナラタージュ」に出演させていただく事が決まり、出演が決まってからとても楽しみにしていました。
新しい環境での撮影に「刺激的な夏になる」と感じております。
この作品は普遍的な愛を描いていきます。
大人とか子供とか関係なく一人の女性として一人の男性に愛を注いでいくのですが
そのとても繊細な恋愛模様を大切に大切に演じていきたいと思います。
観終わった後に皆さんの心に何か残せるよう、キャスト、スタッフ皆で精一杯頑張ります。

★スタッフコメント
●監督:行定勲(ゆきさだ いさお)
心憂い男と女の深淵を描いた島本理生さんの原作小説を手にして十年、念願の企画が始動します。
不確かな愛に揺れる二人を松本潤さんと有村架純さんに狂おしく演じてもらうことに私自身、胸が高鳴ります。恋することがこんなに辛いのならしなければよかったと思えるような、恋愛映画の金字塔を目指してスタッフ・キャスト一丸となって挑みたいと思います。

<原作者コメント>
私にとって『ナラタージュ』は、思春期の恋愛のすべてを書いた小説でした。
青春はけっして明るいものではなく、むしろ孤独な季節だからこそ、主人公たちは恋をせずにはいられなかったのだと思います。
刊行から十数年経った今、行定監督の手によって、最高のメンバーで映画化するとの知らせを受けて、大変興奮しています。一映画ファンとして完成が待ち遠しいです。

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執筆者

Yasuhiro TogawaYasuhiro Togawa