山岳史上最も壮絶な挑戦を行った伝説の登山家オム・ホンギルと仲間たちの軌跡を描いた『ヒマラヤ〜地上8,000メートルの絆〜』7月30日(土)より、ヒューマントラストシネマ有楽町、シネマート新宿ほか全国順次ロードショーとなります。

アジア初ヒマラヤ8,000メートル級高峰14座の登頂に成功した、実在の登山家オム・ホンギルが率いる“ヒューマン遠征隊”が、エベレストで死んだ仲間の亡骸を探すため、記録には残らない命を懸けた過酷な遠征を描いた本作。

韓国を代表する国民的俳優ファン・ジョンミンが演じたのは、実在する世界的登山家のオム・ホンギル。本作では登山家としてはもちろんのことだが、彼がいかにリーダーとして抜きん出た人物だったかを知ることが出来る。
過酷が故に、登頂に失敗した登山家の遺体が数多く残されたままのエベレスト。そんなエベレストに前代未聞とも言える“遺体回収のための登攀”を目指す登山家オム・ホンギルの元に、かつての偉業を共に成し得た仲間たちが、命がけの登攀になることをわかっていながらも再結集していく。命を賭してまでこの人になら付いていこうと思わせるものを彼は持っていたのだろう。それは彼が偉大な登山家であると同時に、いかに偉大なリーダーであったのかを如実に物語っている。
劇中でエベレストは遠征隊に容赦なく襲い掛かり、それでもなお前に進み続ける姿には胸を打たれるが、それ以上に命がけの遠征に至るまでのオム・ホンギルが築いた仲間たちとの絆と人間模様に胸が熱くなるはずだ。彼でなければ、この無茶な登攀自体、到底実現することなどなかっただろうと確信できる。
オム・ホンギル率いる遠征隊の前に立ちはだかるエベレストがいかに大きく厳しい場所なのかを見せつけられる中で、固い絆で結ばれた強い想いをもった人間の強さが浮かび上がってくる。本作で最も印象深いのは登山家としてオム・ホンギルが打ち立てた数々の記録よりも、むしろそういった部分かもしれない。
ぜひ、劇場でその強さを確かめてほしい。

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執筆者

Yasuhiro Togawa