『マイティ・ソー』シリーズのロキ役で大ブレイクし、現在“ポスト ジェームズ・ボンド”の最有力候補として世界中から熱い視線を集めるイケメン俳優トム・ヒドルストン他、世界的人気を誇る英国俳優たちが勢揃いし、SF小説の巨匠、J・G・バラードの原作を完全映画化した『ハイ・ライズ』が8月6日(土)よりヒューマントラストシネマ渋谷他にて全国順次公開となります。

本作の舞台となる新築タワーマンション(=ハイ・ライズ)はラグジュアリーな内装や抜群の眺望のみならず、ありとあらゆる設備が整い、人々の生活の夢を具現化したかのような理想の住居空間。上階に行くにつれ住民が富裕層になっていく40階建ての高層マンションで巻き起こる、皮肉な現代社会のヒエラルキーの崩壊。パーティ三昧の贅沢な毎日を過ごしていたセレブたちが堕落し、じわじわと崩壊していく様子をミステリアスかつアーティスティックな映像美で描いていく。

バラードが1975年に発表した「ハイ・ライズ」は、1996年に鬼才デヴィッド・クローネンバーグが映画化した『クラッシュ』、「コンクリート・アイランド」と並んで“テクノロジー三部作”とされる一篇だ。主人公の医師ラングを演じるヒドルストンは、出演オファーよりも前に読んでおり、とても気に入っていたことが出演のきっかけだったという。
原作邦訳は1980年に出版されて以来、長年入手困難になっていたが、映画公開に合わせて創元SF文庫より7月11日(月)についに復刊発売される! 前回同様、故・村上博基氏が翻訳を生前手掛けており、色々な意味で非常な貴重な作品といえる。未読の人はもちろん、既読の人も今一度映画公開前にぜひ読んでほしい。

なお、本書には初版限定で映画特製しおりが付属する。ラングの二面性を捉えたスタイリッシュなこのしおりの両面デザインが解禁に! グレーのスーツでネクタイの紐を少し緩めた表の“セレブバージョン”と、うって変わって水色のペンキにまみれ、裾を膝までまくり上げた姿でこちらを見つめる裏の“堕落バージョン”のリバーシブルになっており、それぞれにラングの行方を占うキャッチコピーも添えられている。他では手に入らないので、ファンのみならずぜひ入手したい一品だ。
また、一部書店でバラードフェア開催も決定! バラードの他の小説に加えて映画のパネルなどを展示予定。近くの人はぜひチェックしてほしい。

【原作情報】
ハイ・ライズ  J・G・バラード/村上博基 訳/創元SF文庫より7月11日刊行/定価:994円(本体価格:920円)

【J・G・バラードフェア開催店舗(7月4日現在)】
青山ブックセンター本店(東京都渋谷区)、文教堂書店 赤羽店(東京都北区)、ジュンク堂書店 池袋本店(東京都豊島区)、有隣堂 伊勢佐木町本店(神奈川県横浜市)、BookDepot書楽(埼玉県さいたま市)、MARUZEN&ジュンク堂書店 梅田店(大阪府大阪市)、・ジュンク堂書店 大阪本店(大阪府大阪市)、ジュンク堂書店 三宮店(兵庫県神戸市)、丸善 岡山シンフォニービル店(岡山県岡山市)、ジュンク堂書店 福岡店(福岡県福岡市)、リブロ 福岡天神店(福岡県福岡市) ほかにて続々開催予定

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執筆者

Yasuhiro Togawa