世界的に有名なワインの一大産地、フランス・ブルゴーニュ地方を舞台に、老舗ワイナリーを営むある家族の再生の物語を描いた映画『ブルゴーニュで会いましょう』(配給:クロックワークス)が、2016年秋にBunkamuraル・シネマほかにて全国順次公開することが決定しました。
 20歳の時にブルゴーニュを離れ、パリで著名なワイン評論家となった、シャルリ。順風満帆な人生を送る彼のもとに、ある日、実家のワイナリーが倒産の危機だという話が飛び込んでくる。久しぶりに帰郷し、ワイナリー再建を決意するも、長い間疎遠になっていた父親との溝はなかなか埋まらず衝突してばかり。しかし、ぶつかりながらもいつしか互いに手を取り合い、家族に幸せをもたらす最高のワインを作り出そうとする…。
 誰よりも家族を愛しながらも、素直にその気持ちを伝えることのできない不器用な父を演じるのは、『そして友よ、静かに死ね』(2012)等に出演し、フランスを代表する俳優、ジェラール・ランヴァン。そんな父に反発しながらも、ワイン造りに情熱を傾けていく息子には、役者であり、「イヴ・サンローラン」他、監督としても高い評価を受けるジャリル・レスペール。彼らを見守る女性たちにアリス・タグノリー、ローラ・スメットなどが顔を揃え、フランス映画界の多彩な俳優たちが物語を紡ぎます。
 今回解禁となったポスタービジュアルで目を引くのは、陽の光にきらきらと輝いた一面の葡萄畑、そして、ルネッサンス時代や中世の城が多く残る、自然と伝統の建築物が生み出す、美しいブルゴーニュ地方の風景。本作にも四季折々の美しい葡萄畑はもちろん、この地方のシンボルであるクロ・ド・ヴージョ城、900年代に立てられた教会を擁するピエールクロ城などが映し出されており、背景となる大いなる自然と歴史が、登場人物たちを優しく包み込みます。
 久しぶりに再会した家族と、恋をする幼馴なじみと、悩みを相談する友人と、そして収穫を祝う宴と。いつもそこには美味しい食事とワインがあり、彼らの人生を支えている。そんな本作を観た後はきっと、愛する誰かと食卓を囲みたくなるはず。

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執筆者

Yasuhiro Togawa