◆ベルギーを舞台に、欧州決勝大会進出を目指す吹奏楽団の姿を描いた音楽
エンタテインメント。日本は世界有数の吹奏楽大国とも言われており、最近でも、TBS系列で来月7月から放送が始まる実在した吹奏楽団を描く、ドラマ
「仰げば尊し」やアニメ「響け! ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部へようこそ」
など吹奏楽団を描く作品は今でも多くの人気を集める。

◆本作『人生は狂詩曲(ラプソディ)』では言語が北のオランダ語と南のフランス語で分かれ、それぞれの自分たちの地域に誇りを持つベルギー国民は、コンクールの勝利にも地元のプライドがかかっていた。見どころは、優勝を争う2つの吹奏楽団の迫力と感動の演奏シーン。そして、演奏だけでなく、出演者たちの華麗な歌声も注目ポイント。ストーリーをセリフだけでなく、‘ミュージカル’としてその歌声で情感豊かに魅せてくれる。

◆ベルギーは、古くから北部フランドル地方はオランダ語、南部ワロン地方は
フランス語という主に2つの言語が国を南北に分断する形で存在していた。
大国の狭間に位置するベルギーは欧州の列強に相次いで支配され、翻弄されてきた。その結果、言語の境界線を国の枠組みの中に内包するという現在の国情が形成されてしまう。1830年の独立以来、北部と南部の言語対立は国家分裂の危機を再三招いてきた。しかし、近年では政府や学校が言語ごとに分かれる仕組みが整えられ、その対立は緩和されてきている。

◆ヒロインのエルケ役にはベルギーで女優・歌手として活躍するアマリリス・アイテルリンデン。アマリリスは、9歳の時にミュージカル「アニー」を演じたこともあり、その後はフランドル・ミュージカルの最優秀助演女優賞を受賞した実力派女優である。本作『人生は狂詩曲(ラプソディ)』ではベルギーのオスンデ映画祭で見事、最優秀女優賞を獲得した。ライバルチームのエースである天才トランペット奏者ユーグを演じるのはフランス映画界期待の若手アーサー・デュポン。2010年に『Bus Palladium(原題)』で主役を演じ、セザール賞最優秀新人男優賞にノミネートされ、今後の活躍がますます注目されている。

◆監督は、ベルギー、フランドル地方ゲント生まれのビンセント・バル(45才)。6歳の頃からミュージカル、映画、テレビに出演。ブリュッセルにあるLUCAスクール・オブ・アートに通った後、複数の短編映画やテレビコマーシャルの監督を務める。そして、オランダの童話作家アニー・M・G・シュミットの同名作で人間の少女になったネコの活躍を描く『ネコのミヌーヌ』は各国の映画祭で上映され多数の賞を獲得した。その後、デビッド・グロスマンの小説を映画化した『The Zigzag Kid(原題)』はヨーロッパ映画賞でヤング観客賞を受賞する。

予告編::https://www.youtube.com/watch?v=KDMq1hksJ-A

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執筆者

Yasuhiro Togawa