〈トリプルナイン〉とは職務中の警官が撃たれる非常事態が発生し、応援を呼ぶ際に使われる警察コードである。『ザ・ロード』『欲望のバージニア』で絶賛されたジョン・ヒルコート監督が、この緊急コードの盲点を突いた壮大な事件の成り行きを描く本格クライム・アクション『トリプル9 裏切りのコード』が、6月18日(土)よりヒューマントラストシネマ渋谷他にて全国公開いたします。

元軍人と悪徳警官で構成されたギャングが“トリプル9”を悪用して警察を欺き、わずか10分間の空白の間に政府の重要施設を襲撃する。その研ぎすまされたリアリズムと極限のテンションがみなぎる映像世界は『フレンチ・コネクション』『ヒート』といった名作を彷彿とさせ、警察権力の腐敗や裏切りのドラマ、壮絶なバイオレンス描写にも息を飲まずにいられない。最後に生き残るのは誰なのか、まったく予測できない熾烈なサバイバルを描き、モラルがとち狂った現代の闇をえぐる新たな都市型ノワールが誕生しました。

今回解禁する映像は、アメリカ・ジョージア州アトランタの空撮から始まり、無数に並んでいる銃、墓地、逮捕されたロシアン・マフィアの幹部のニュース記事、爆破された車、殺人事件現場の生々しい写真がインサートされ、舞台となるアトランタの街がいかに危険なのかが分かる冒頭シーンとなっている。キッパー(ユダヤ教の民族衣装の一種で男性がかぶる帽子のようなもの)を被った屈強な男を2人従え、真っ赤なジャケットを着た女がトランクに押し込まれている男女を見つめる。歯は全て抜かれ、指を切られる拷問を受けた男女は助けを懇願するが、その女は一瞥すると無言でトランクを閉める…。

場面は変わり、トラックに乗っている男たちが覆面をかぶり、白昼堂々銀行を襲撃する準備をしている。一人は車の中から指示を的確に出し、手際よく銀行を支配していく。警察無線の傍受により通報されたことが発覚、男たちは警察が到着する前に目的のものを手に入れ逃走を図る・・・。バイオレンス、スリル、リアリティが、重低音の音楽とともに凝縮された冒頭シーンは、これから始まる裏切りとバイオレンスにまみれた本作の行く末を暗示するかのような緊迫感に溢れた見応えある映像となっている。

赤いジャケットが印象的な冷酷非情なロシアン・マフィア、白昼堂々と手際よく銀行を襲撃した男たち、この先彼からの関係はどのように絡み合ってくるのか…。一瞬たりとも気の抜けない『トリプル9 裏切りのコード』がいよいよ今週18日(土)に公開となります。

★映画冒頭6分30秒映像+予告編★
https://www.youtube.com/watch?v=AV9yl6oBiSM

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執筆者

Yasuhiro Togawa