次に来るのはチベット映画? チベット映画入門にも必見!

チベット巡礼ロード・ムービー『ラサへの歩き方〜祈りの2400km』の公開を記念して、めったに見ることのできないチベット映画の秀作2本を上映する<チベット映画傑作選>が開催されます。

チベット映画というと、昨年の東京フィルメックスでグランプリと学生審査員賞をダブル受賞したペマ・ツェテン監督の『タルロ』、同じく昨年の東京国際映画祭で上映されたソンタルジャ監督『河』が映画ファンの話題を呼び、そのレベルの高さに次にくるアジア映画はチベットか、と注目の存在。

今回の上映作は、現代チベット映画を代表する、その2人の監督の長編第一作だ。いずれも日本劇場未公開の貴重な作品。そしてどちらも『ラサへの歩き方』につながる「巡礼」が重要なモチーフとなっている。“五体投地”という礼拝法で2400kmもの距離を聖地巡礼する『ラサへの歩き方』はまさに驚きの巡礼ロード・ムービーだが、今回の2作品から、「祈る」とは何なのかというテーマを探るのも今の時代に興味深い。

会場は、アンスティチュ・フランセ東京エスパス・イマージュ。共催するのは、『ラサへの歩き方』の配給会社ムヴィオラと、これまでに「ペマ・ツェテン映画祭」も開催している東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所。なお、両日とも上映後にはチベット映画に詳しい同研究所の星泉さんのわかりやすい解説付き。来場者には同研究所発行の冊子、“チベット文学と映画制作の現在『セルニャ』”もプレゼントされる。

また開催にあたっては、アジアフォーカス・福岡国際映画祭で上映された『陽に灼けた道』を収蔵する福岡総合図書館が協力している。

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① 7/7(木) 18:30開場 19:00開映 

『静かなるマニ石』監督:ペマ・ツェテン 

2005年|102分|英語題:The Silent Holy Stones|日本語・英語字幕付き

チベットの山村の素朴な暮らしと主人公の少年僧をめぐる人々を描く。名匠アッバス・キアロスタミ監督が「私はこの映画に心から感動を覚えた」と絶賛した。“マニ石”とはお経や真言が刻まれた石のこと。

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②7/14(木) 18:30開場 19:00開映

『陽に灼けた道』 監督:ソンタルジャ  

2011年|89分|英語題:The Sun Beaten Path|日本語字幕付き

母の死に対して強い自責の念にとらわれたニマは、ラサまで五体投地の巡礼の旅に出るが、巡礼でも心は癒されず、その帰り道でひとりの老人と出会う。バンクーバー国際映画祭ドラゴン&タイガー賞受賞。

前売券販売=シアター・イメージフォーラム。チベットレストラン&カフェ タシデレ

電話予約は⇒ムヴィオラ 03-5366-1545

メール予約は⇒info-lingdy@aacore.net (東京外国語大学チベット映画上映会受付)

メール件名は「チベット映画申込」とし、(1) お名前 (2) 来場日と枚数 (3)緊急時のご連絡先(携帯番号など)を明記してください。

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執筆者

Yasuhiro Togawa