〈トリプルナイン〉とは職務中の警官が撃たれる非常事態が発生し、応援を呼ぶ際に使われる警察コードである。『ザ・ロード』『欲望のバージニア』で絶賛されたジョン・ヒルコート監督が、この緊急コードの盲点を突いた壮大な事件の成り行きを描く本格クライム・アクション『トリプル9 裏切りのコード』が、6月18日(土)よりヒューマントラストシネマ渋谷他にて全国公開いたします。

元軍人と悪徳警官で構成されたギャングが“トリプル9”を悪用して警察を欺き、わずか10分間の空白の間に政府の重要施設を襲撃する。その研ぎすまされたリアリズムと極限のテンションがみなぎる映像世界は『フレンチ・コネクション』『ヒート』といった名作を彷彿とさせ、警察権力の腐敗や裏切りのドラマ、壮絶なバイオレンス描写にも息を飲まずにいられない。最後に生き残るのは誰なのか、まったく予測できない熾烈なサバイバルを描き、モラルがとち狂った現代の闇をえぐる新たな都市型ノワールが誕生しました。

「999」(トリプルナイン)という言葉は、本作では“職務中に警官が撃たれるという非常事態”を現した警察の隠語として使われているが、占いの世界では、エンジェルナンバーとして、“今すぐ使命に取り掛かってください”という意味になる。母なる大地があなたを必要としています。あなたが聖なる使命を果たすことで、多くの人達を救うことが出来るのです。ためらうことなく、遅れることなく、今すぐ取り掛かりましょう。ということだという。
またイギリスやアイルランドでは、緊急時の警察、消防、救急の番号が「999」である。香港、マカオ、マレーシアなどアジア各国、ウガンダ、ジンバブエなどアフリカ各国でも、同じ意味として使用している国がいくつもある。

同じアジアのベトナムでは、ラッキーナンバーが「999」とされている。銀座のベトナム料理店「999」の店名は、ここからきているのだろうか。中野には、「999」という名前のタイ料理店もある。

国や職種によって「999」の持つ意味は様々だが、家族、友達、職場の人と関わる、人を助ける、人を大事にする、協調性を持つという点では、根底の部分で繋がっているのかもしれない。

【STORY】 世界屈指の凶悪犯罪都市アトランタで、街から警官が消える、10分間—。
武装グループのリーダー、マイケルは、警戒厳重な国土安全保障省の施設を襲うという実行不可能な強盗に挑むため、ある計略を練り上げる。それは警官が撃たれたことを意味する緊急コード〈トリプル9〉を発動させ、アトランタ市警の機能を10分間完全停止させる作戦だった。しかし、標的となった実直な警官クリス、重大犯罪課の刑事アレン、そしてロシアン・マフィアを巻き込んだその犯罪計画は、マイケルの一味の内部対立や裏切りも絡み、想定外の事態へと発展する……。

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執筆者

Yasuhiro TogawaYasuhiro Togawa