『チリの闘い』はパトリシオ・グスマン監督による三部構成のドキュメンタリー映画である。

東西冷戦期の1970年、チリでは選挙によって選ばれた世界初の社会主義政権が誕生し、サルバドール・アジェンデが大統領に就任した。「反帝国主義」「平和革命」を掲げて世界的な注目を集め、民衆の支持を得ていたが、その改革政策は国内の保守層、多国籍企業、そしてアメリカ合衆国政府との間に激しい軋轢を生んだ。やがて民衆の生活は困窮。チリの社会・経済は混乱に至った。1973年9月11日、陸軍のアウグスト・ピノチェト将軍ら軍部が米国CIAの支援を受け、軍事クーデターを起こす。アジェンデは自殺。以後、チリはピノチェトを中心にした軍事独裁政権下に置かれた。
パトリシオ・グスマンはこのチリにおける政治的緊張と社会主義政権の終焉を記録する。そして、9月11日のクーデターを契機にキューバ、スペインを経てフランスに亡命。映画監督クリス・マルケルやキューバ映画芸術産業庁(ICAIC)の支援を得てこの「映画史上最高のドキュメンタリー映画」とも言われる作品を完成させた。

特報予告編
https://www.youtube.com/watch?v=PfagGZ-N2vU

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パトリシオ・グスマン監督特集@アテネ・フランセ文化センター 概要

2016年8月24日(水)-8月27日(土)
8月24日(水)
17:00-「頑固な記憶」(59分)
18:30-「ピノチェト・ケース」(110分)

8月25日(木)
16:30-「サルバトール・アジェンデ」(100分)
18:15-トーク:「映画史の中のパトリシオ・グスマン」岡田秀則(東京国立近代美術館フィルムセンター主任研究員)
19:30-「頑固な記憶」(59分)

8月26日(金)
16:40-「ピノチェト・ケース」(110分)
19:00-「サルバトーレ・アジェンデ」(100分)

8月27日(土)特別先行上映
14:30-「チリの闘い」第一部(96分)
16:40-「チリの闘い」第二部(88分)
18:40-「チリの闘い」第三部(79分)
20:00-トーク:「政治と詩が出会うところ グスマンの魅力」斉藤綾子(映画研究者)

料金などの詳細は後日発表致します。

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執筆者

Yasuhiro TogawaYasuhiro Togawa