世界的な熱波に見舞われている今年、初夏だというのに真夏の暑さが続く日々に弱り果てている人も多いのではないだろうか。
そんな暑さを映画でしのぐには?からっとした笑いの中にぞくっとした怖さを秘める〝ブラックコメディ”がうってつけではないだろうか!!その上、期せずして今年はブラックコメディの大豊作年!公開中のものから間もなく公開のものまで、話題沸騰のブラックコメディをご紹介しよう!

〜現代にタイムスリップしてきた独裁者を前に、正気と狂気の一線を見失う現代人の危うさを描いたブラックコメディ〜
★『帰ってきたヒトラー』(配給:ギャガ)
6月17日よりTOHOシネマズ シャンテ他にて全国順次公開
絶賛と非難の爆風をくぐり抜け、国内で200万部を売り上げ、世界41カ国で翻訳、権威あるタイムズのベストセラーリストでも堂々NO.1に輝いた超問題アリのベストセラー小説が、まさかの映画化!ドイツではディズニーの大ヒットアニメ『インサイド・ヘッド』を抑え第1位を獲得。
世界的に有名な独裁者ヒトラーが現代にタイムスリップし、モノマネ芸人と誤解され引っ張り出されたテレビやネットの世界で大スターに!しかし最初は面白がっていた大衆も、いつしかその姿と言動のとりこになっていく…。
ヒトラーに扮した主演俳優(オリヴァー・マスッチ)が街に飛び込み、実在の政治家や有名人、果てはネオナチと顔を合わせるというアドリブシーンを盛り込んだセンセーショナルな展開と、原作とは違う予測不能な結末は、一大ブームを巻き起こした。

 独裁者として名の知れた存在を、我々は<絶対悪>としてしかとらえることはなかった。だがしかし、この作品「帰ってきたヒトラー」は、その常識を打ち砕く。親しみと憧れの念が心の中に芽生えた現代の大衆は、笑いつつもヒトラーという存在に魅了されてしまうのだ。しかしそれと同時に襲ってくる恐怖。一体誰が独裁者を、誰がヒトラーを創り出したのだろうか?その理由の一端が観るとわかるはず。
※巷で話題のヒトラーが、ゲスト出演するバラエティ番組で、米大統領を彷彿とさせる人気司会者と並び立つブラック風味の場面写真も解禁!

〜死にたがりの大富豪が謎の代理店に〝サプライズ”な死を依頼するエキセントリックだけどチャーミングなブラックコメディ〜
★『素敵なサプライズ ブリュッセルの奇妙な代理店』(配給:松竹)
新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国公開中
「キャラクター 孤独な人の肖像」で第70回アカデミー外国語映画賞を受賞したマイケ・ファン・ディムが監督と脚本を務め、オランダの大富豪が自殺ほう助を裏稼業とする謎の代理店を訪れたことから巻き起こる騒動を描いた本作。何不自由ない日々を送る大富豪のひとり息子ヤーコブは、楽しみのない人生に嫌気がさし、自殺を試みるが、常に邪魔が入り自殺できずにいた。たまたま拾ったマッチ箱に記された謎の「代理店」をベルギーまで訪ねると、その店は事故に見せかけて自殺をほう助するサービスを提供する旅行代理店だった…。

〜憂鬱で暗黒の日々を送る哲学科の教授が、脳裏に浮かんだ〝妄想殺人”に奇妙な「生きる意味」を見出すブラックコメディ〜
★『教授のおかしな妄想殺人』(配給:ロングライド)
6月11日よりBunkamuraル・シネマ&シネ・リーブル池袋ほか全国公開
ウッディ・アレン監督がホアキン・フェニックスを主演に迎え、人生の不条理を独自の哲学で描いた本作。哲学科の教授エイブは、人生の意味を見失い、孤独で無気力な暗闇に陥っていた。ある日、迷惑な悪徳判事の噂を耳にしたエイブは、その判事を自らの手で殺害するという完全犯罪を夢想し、次第にその計画に夢中になっていく。新たな目的を見い出したことで、エイブの人生は再び輝き出すのだが……。

妄想、事故死、独裁者というブラックなエッセンスが、笑いの中にピリリとスパイスを効かせた3作品、おかしいところはよりおかしく、怖いところはより怖く、2倍の楽しみと物語の深みを味わえるブラックコメディの魅力にご注目あれ!

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執筆者

Yasuhiro Togawa