この度、ソ連で公開当時1,570万人を動員、モスクワの劇場では皆が「クー!」と叫び、ドイツではプリントが盗まれて大騒ぎに(!?)、日本でも15年前に尋常でないロングランヒットを記録し、世界中の一部で大人気を誇る1986年のロシア製SF映画『不思議惑星キン・ザ・ザ』がデジタル・リマスター版で8月20日(土)より新宿シネマカリテにてレイトショー公開(全国順次公開)となることが決定いたしました。

本作は、思いがけず“空間移動装置”のボタンを押してしまい、キン・ザ・ザ星雲の惑星ブリュクにワープしてしまった男2人が“クー”としか言わない異星人たちにダマされながらもなんとかして地球に帰ろうと奮闘する姿を描くSF映画です。監督は名実ともにロシアを代表するゲオルキー・ダネリア。本作のロシアでの観客動員数はすさまじいですが、実はダネリア監督の75年作品『AFONYA』はその約4倍の6,220万人を記録、もはや意味不明な領域に達してしまったロシア映画界の巨人です。そして音楽は世界的作曲家のギア・カンチェリが担当し、史上最も気の抜けたサントラを作りだしてしまっています。旧ソ連時代当時の社会や、資本主義世界に対する皮肉や風刺などが他に類をみない途方もなくゆるい脱力空間とともに展開され、『2001年宇宙の旅』(68年/スタンリー・キューブリック監督)、『惑星ソラリス』(72年/アンドレイ・タルコフスキー監督)、『未来世紀ブラジル』(85年/テリー・ギリアム監督)などの名だたる作品群と比較されるほどの人気を誇りつつ、実はこの世に類似作が見当たらないという不思議な唯一無二の作品です。そんな、世界中に中毒者が存在する世紀のカルト映画がまさかのデジタル・リマスターを施され、衝撃的にはっきり、くっきりした鮮明な映像でよみがえる15年ぶりの劇場公開.

『不思議惑星キン・ザ・ザ』≪デジタル・リマスター版≫
●監督:ゲオルギー・ダネリヤ●脚本:レヴァス・ガブリアゼ+ゲオルギー・ダネリヤ●撮影:バーヴェル・レヴェシェフ
●美術:アレクサンドル・サムレキン・テオドル・テジク●音楽:ギア・カンチェリ●製作:モスフィルム・スタジオ
●キャスト:スタニスラフ・リュブジン、エヴゲーニー・レオン、ユーリー・ヤコヴルフ、レヴァン・ガブリアゼ 
1986年/ソ連/カラー/デジタル/135分/日本語字幕:太田直子/1989年日本初公開・2001年リバイバル公開作品/原題:KIN-DZA-DZA 
提供・配給:パンドラ+キングレコード  © Mosfilm

8月20日(土)より新宿シネマカリテにて超脱力レイトショー!!
全国順次公開!!

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執筆者

Yasuhiro Togawa