李朝最大の謎とも言われ、18世紀の朝鮮王朝において王権争いが激化した時代を舞台に、王と王位継承者である実の息子との確執により起きたとされる衝撃の史実を基に描く『王の運命—歴史を変えた八日間—』が6月4日よりシネマート新宿ほか全国にて全国順次公開されることが決定いたしました。

本作は朝鮮王朝における王権争いが激化した時代を舞台に、朝鮮第21代目の王・英祖(ヨンジョ)と、実の息子・思悼(サド)、そして思悼の子として朝鮮後期最高の聖君となる第22代イ・サンの誕生まで、56年間にわたる歴史に存在した人々の心情を丁寧にひもとき、韓流時代劇ファンには広く知られている1762年の「米びつ事件(壬午士禍)」を中心とした史実を忠実に映画化。朝鮮王朝最大の父子の確執として記録され、家族である以前に王族であらねばならなかった苦悩、男たちを囲む女たちの生き方、明日の命も知れぬ党争など、単なる歴史の再現ではない、歴史を超越した緊迫のヒューマンドラマに仕上がっている。

そんな本作で朝鮮第21代目の王・英祖(ヨンジョ)を演じたのが韓国を代表する国民的俳優ソン・ガンホ。1996年にホン・サンス監督の「豚が井戸におぼれた日」でスクリーンデビューしてから、映画一筋で20年、これまで様々な役を演じ主演男優賞など多くの賞で確固たる地位を築いている彼だが、意外にも君主(王)を演じるのは今作が初めて。
しかし本人はきっぱりと「俳優はただ演じるだけです」と答えた。さらに「(ドラマや過去の映画では)英祖と思悼世子のストーリーは政治的な解釈が多くの比重を占めているじゃないですか。ところが、ひたすら君主である父親と世子である息子の物語に焦点を合わせた点が新しいと思います」と本作の仕上がりに自信をのぞかせた。

残酷な運命に引き裂かれた王と王子。その複雑な人間描写が胸を打ち、緊張感に心が震える。現代にも通じる普遍的なテーマと李朝最大の謎と呼ばれる史実を大胆に解釈した宮廷歴史大作が誕生した。

映画『王の運命—歴史を変えた八日間—』は6月4日(土)より、シネマート新宿ほか全国順次ロードショー。

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執筆者

Yasuhiro Togawa