アポなしの突撃取材で、常に身体を張った独自のドキュメンタリーを生み出してきたマイケル・ムーア。アメリカの銃社会に真っ向から向き合った『ボウリング・フォー・コロンバイン』(02)でアカデミー賞®長編ドキュメンタリー賞、9.11米同時多発テロをめぐりジョージ・W・ブッシュの無能振りを暴露した『華氏911』(04)でカンヌ国際映画祭・最高賞《パルムドール》を受賞した。その後も、世界の医療と保険事情を体当たりで伝えた『シッコ』(07)、資本主義の矛盾を鋭くえぐった『キャピタリズム〜マネーは踊る〜』(09)と、常に時代に呼応したドキュメンタリーを作り続ける希有な映画ジャーナリスト。母国アメリカの体制に対する、ドン・キホーテにも通じる活動を続けてきたマイケル・ムーアが、最新作では一転、米国防省による極秘の「侵略」ミッションを受けて、ヨーロッパへと旅立つことに!『マイケル・ムーアの世界侵略のススメ』は、新たな時代を生き抜くために、世界のジョーシキを略奪し、持ち帰ること。このジョーシキこそ、現在のアメリカに最も必要なことなのだ。
この度、日本公開を前にマイケル・ムーアが最新作について作品に込められたメッセージを発信しました。

ムーアは今回の作品に関して、「私の作品で“最も危険で破壊的な映画”だ」と言う。理由は、「アメリカの国民に、いかに簡単にまともな社会を築けるかを示しているから」だ。「互いが互いを思いやり、無料の医療保障があり、素晴らしい教育システムがあり、副業を持つ必要がなく、年に最低1ヶ月の有給があり、有給の産休があり、戦争やドラッグが無く、犯罪者が社会復帰の援助が得られるため刑務所がガラガラの、そんな社会です。私がそれらの国々をご紹介します。そして我々アメリカ人に伝えられてきた“ウソ“を暴きます」と断言。
そして、フランスの税金や、スロベニアの教育システム、アイスランドの女性が活躍する社会システム、そしてフィンランドの学校、ノルウェーの刑務所、ドイツの工場、フルコースの食事が出るフランスの公立小学校など、最新作で暴かれる集団の“ウソ“に言及。

「ウォール・ストリート、利権独占の政治家、とにかく「どうしたって実現出来ないんだ!」と言い続ける上司や長老。とにかくこれは、彼らによる集団のウソなんです。私はこの映画でこれらの事実を突き付けたい」と、最新作に込めたジャーナリスト魂を激白している。
結びには、「ぜひ感想を聞かせて下さい!私のtwitterやfacebookまでお寄せください。後悔はさせません!為になり、面白くて、驚き、感心して、怒り、明日の元気が湧きます。とにかくお約束できるのは、がっかりさせる事はない。長年のサポートありがとうございます。アメリカの歴史において、このタイミングでこの映画を完成させられた事をとても嬉しく思っています」とメッセージを寄せている。

マイケル・ムーア 最新作についてのステートメント(全文紹介)

『マイケル・ムーアの世界侵略のススメ』は、ある批評家が指摘したように私の作品で“最も危険で破壊的な映画”です。なぜならアメリカの国民に、いかに簡単にまともな社会を築けるかを示しているからです。互いが互いを思いやり、無料の医療保障があり、素晴らしい教育システムがあり、副業を持つ必要がなく、年に最低1ヶ月の有給があり、有給の産休があり、戦争やドラッグが無く、犯罪者が社会復帰の援助が得られるため刑務所がガラガラの、そんな社会です。私がそれらの国々をご紹介します。そして我々アメリカ人に伝えられてきた“ウソ“を暴きます。

フランス人は我々アメリカ人よりも多くの税金を支払っていると思われていますが、同じサービスを得るために我々アメリカ人が払う費用をトータルで考えると、我々より少ないです。
学生は大学の学費で破産しません。事実、貧しいとされる国々でさえ国民全員の大学の学費を国が負担出来ます。
司法が、ある特定のグループの人種を投獄させるために動かない国々を想像して下さい。
戦争や他国侵略のためにお金を使うのではなく、他の民主主義国家は自国の人々のためにお金を使っているとしたら?

今回私が何度も何度も目撃した一番大切な事実:女性が真の政治的・経済的権力を持つ国は全ての国民の生活がより良くなる。想像してみてください。
これらの国は実際に存在するのです、そこは“アメリカ以外の文明国家“なのです!我々は長い間欺かれ、間違った方向に導かれてきました。私はこの事について話すだけでなく、この映画で実際にお見せします。フィンランドの学校、ノルウェーの刑務所、明るく人間的なドイツの工場(みなが中流クラスの賃金を稼いでいます)、フルコースの食事が出るフランスの公立小学校のランチ風景、借金や奨学金の意味を知らないスロベニアの大学生たち。
これらが、『マイケル・ムーアの世界侵略のススメ』が破壊的である理由です。この映画を観るだけで十分なんです。何百万人もがこの事を知り、この作品からインスピレーションを得られればゲームは終わりです。ウォール・ストリート、利権独占の政治家、とにかく「どうしたって実現出来ないんだ!」と言い続ける上司や長老。とにかくこれは、彼らによる集団のウソなんです。私はこの映画でこれらの事実を突き付けたいのです。

これが、私がどうしても皆さんに『マイケル・ムーアの世界侵略のススメ』を見て欲しい理由です。あなたは多分すでにtwitterやfacebookで「マイケル・ムーアの最高傑作だ」というのを目にしているかもしれません。それに異論はありません。あなたが目にする今年の最高傑作だという自信があります。面白くて、空いた口が塞がらない、2時間を最も有効に使えます(プライベートに割く時間としても短いしね)。

ぜひ感想を聞かせて下さい!私のtwitterやfacebookまでお寄せください。後悔はさせません!為になり、面白くて、驚き、感心して、怒り、明日の元気が湧きます。とにかくお約束できるのは、がっかりさせる事はないでしょう。

長年のサポートありがとうございます。過去数か月に渡り、声援を送り続けてくれてありがとうございます。アメリカの歴史において、このタイミングでこの映画を完成させられた事をとても嬉しく思っています。

マイケル・ムーア

驚きと笑い、そして感動に満ちた、マイケル・ムーアの集大成『マイケル・ムーアの世界侵略のススメ』は、5月27日(金)より全国ロードショーとなります。

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執筆者

Yasuhiro Togawa