第6回本屋大賞を受賞し、社会的なブームと化した「告白」に次ぎ発表された小説・「少女」。2009年の発売以降、その衝撃的な内容と、読み手をとらえて離さない“湊かなえワールド”が長らく愛され、現在累計発行部数100万部を突破。「死」という願望にとらわれた2人の女子高校生を描いた衝撃作が、今秋遂に映画化!物語を担う少女の2人には、『アオハライド』(’14)、「恋仲」(’15/CX)等話題作に続々出演し、幅広い世代から人気を集める本田翼と、主演作『貞子VS伽椰子』(’16)、『ピーチガール』(’17公開予定)等が控え、多方面での活躍目覚ましい山本美月の最高に旬な女優2人の豪華共演が実現!モントリオール映画祭特別招待作品『ぶどうのなみだ』や『繕い裁つ人』等、女性の心の機微を描くことに高い評価を得ている監督・三島有紀子がメガホンを取り、美しき女子高生に宿る闇をリリカルに表現。湊かなえの世界観を見事に映像化しました。

そしてこの度、稲垣吾郎の本作への出演が明らかになりました。これまで『告白』や「夜行観覧車」を見ており、湊を「凄く尊敬する作家のお1人」と語る稲垣だが、その原作作品への出演は初!更には、主演の本田翼、山本美月とも初共演。監督・三島有紀子とも初のタッグとなり、映画『十三人の刺客』(2010年公開)で毎日映画コンクール 男優助演賞はじめ数々の賞を受賞するなど、高い演技力に定評がある稲垣が、本田・山本を強力にサポートします。

稲垣が演じるのは、夏休みに敦子(山本美月)がボランティア活動をする老人ホームのスタッフ・高雄孝夫(たかおたかお)。苗字と名前が同じ響きという変わったキャラクターで、寡黙で口数が少ない男だ。敦子と共に働くことになるが、他のスタッフと比べても不自然なほどに距離を置きたがる・・・。実は過去、女子高生との間に起こったある【事件】から、家族と離れて暮らすことを余儀なくされた、深いトラウマと傷を持つという難しい役どころ。また、それぞれがバラバラに動いていたはずの物語が、1つにまとまる瞬間のキーパーソンであり、由紀(本田翼)と敦子(山本美月)に、「生きる事の意味」を問うためには必要不可欠な存在だが、繊細な表現力で見事に演じ、湊かなえの世界観をしっかりと伝えている。

■稲垣吾郎コメント■
これまで、こういった作風の映画に参加した経験があまりなかったので、自分にとっても新しいチャレンジだと思っています。湊かなえさんの作品は「告白」や「夜行観覧車」等大好きですし、作家としてとても尊敬しています。ですから、今回この作品に参加できて光栄でした。
台本に独特の世界観を感じました。三島監督とは初めてご一緒しますが、強い個性としっかりとしたイマジネーションを感じ、安心して気持ちを委ねさせていただきました。僕が演じた孝夫という役は、一見とっつきにくく、何を考えているかわからない人間。過去にトラウマを抱えている謎多き人物ですから、台本には書いてない彼のバックボーンを監督と一緒に話しながら作り上げました。
まだ作品は完成していませんが、この映画は見る側が「考える」ことが出来る作品だと思います。「こうだ」という説明的な物ではなく見た人が自由な感性で、受け止めることが出来るということは、映画にとってとても大事なことだと思います。主人公たちと同世代の方も、僕らの世代の人にも楽しんでいただけると思います。

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執筆者

Yasuhiro Togawa