世界の破滅を予言したカルトコミックをめぐる、傑作のミステリードラマ「ユートピア/UTOPIA」シーズンⅠを、2016年4月27日に、シーズンⅡを5月25日に、ブルーレイ&DVDリリースいたします。米HBO局でもリメイクが決定するなど、世界中で話題の「ユートピア/UTOPIA」の魅力をレポートします。

米国ドラマは面白いけれど、王道すぎて……という人にオススメしたいのは、英国ドラマである。
英国らしいブラックさを持つ個性的な作品の数々は、同じ英語圏の作品ながら、米国ドラマとは違った味わいがある。「ユートピア/UTOPIA」も、そんな個性派ドラマの一つだ。
ネットを介して知り合った数人の若者たち。彼らは「ユートピア・エクスペリメンツ」というグラフィック・ノベルの謎を追っていた。最近、仲間の一人が未発表の続編を入手したといい、メンバーは色めき立つ。「ユートピア」は、世界の破滅を予言しているといわれていたからだ。しかし、それを探しているのは彼らだけではなかった。「ネットワーク」と呼ばれる謎の組織によって放たれた凶暴な二人組が、「ユートピア」を追って彼らに迫る。「ジェシカ・ハイドはどこだ?」と繰り返しながら……。
一方、保健省の職員は「ネットワーク」に脅迫され、需要の見込めないロシア型インフルエンザワクチンを大量購入する裏工作を強要される。その目的はなにか?また「ユートピア」の作者は誰なのか?そして、そこに隠された秘密とは……?
本作は、2013年に英国で放送されると、二転三転するストーリーで大きな反響を呼んだ。あちこちに張られた伏線は罠のようで、視聴者はミスリードされ、翻弄されてしまう。
TVドラマとしては過激なバイオレンス描写も物議を醸した。とりわけ、追跡者のアービー(ニール・マスケル)は、「ユートピア」を執拗に追い、用済みとみなした人物は片っ端から抹殺していく。そのドライなバイオレンスは過激で、英国で発売されたソフトは18禁指定となったほどだ。
さらに目を引くのは、原色を多用した映像だ。赤、青、黄、緑、紫といったビビッドな色をほぼすべてのカットで取り入れ、挿し色にする。ビジュアルの強烈さで、なにげないシーンがトラウマのように印象に残ってしまう。物語のキーとなるのがコミック本だけに、コミック風のポップな色調を意識し、作品のイメージカラーは狂気のイエローだ。ちなみに、英国で発売されているソフトのジャケットは、すべてイエローを基調としたモノになっている。
なお、画面構成の基になるストーリーボードを担当したのはラッセル・ガーリック。彼はロンドン在住のイラストレーター兼ストリーボード・アーチストで、ロンドンを舞台にした「24-TWENTY FOUR- リブ・アナザー・デイ」(14)のストーリーボードも手がけている。
謎が謎を呼ぶ展開は、まるで迷路のよう。方向がわからなくなってしまうような感覚を、ぜひ体感していただきたい。

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「ユートピア/UTOPIA」
シーズンⅠ 4 月27 日リリース
シーズンⅡ 5 月25 日リリース
価格:Blu-ray BOX 各 8,500 円+税 、 DVD-BOX 各 7,500 円+税

■コピーライト表記
シーズンⅠ:(c )Kudos Film & Television Limited 2013
シーズンⅡ :(c) Kudos Film & Television Limited 2014

発売元・販売元:アミューズソフト

執筆者

Yasuhiro Togawa