今年 1 月に亡くなったフランス映画の巨匠ジャック・リヴェット(『美しき諍い女』)を追悼し、IndieTokyo では、アンスティチュ・フランセやフランス映画祭を始め、映画祭や映画館と協力して一年間かけて追悼上映を行います。

そのハイライトとして、ジャン=ピエール・レオーやジュリエット・ベルト、ビュル・オジェといった高名な俳優が出演し、内容的にも高く評価されているにもかかわらず、12 時間 43 分もあるその上映時間のため上映される機会がきわめて限られていた幻の傑作『アウト・ワン』に日本語字幕を付けて上映するプロジェクトを立ち上げました。

上映料や劇場レンタル料、字幕製作資金を調達するため、MotionGallery にてクラウドファンディングを行います。
https://motion-gallery.net/projects/rivette

ジャック・リヴェット(1928-2016)について

 1928 年フランスのルーアン生まれ。61 年に『パリはわれらのもの』で長編映画監督デビュー。63 年から 65 年まで映画批評誌「カイエ・デュ・シネマ」の編集長を務め、ジャン=リュック・ゴダール、フランソワ・トリュフォー、エリック・ロメール、クロード・シャブロルらとともにフランスの映画運動「ヌーベル・ヴァーグ」を牽引する存在となった。

 91 年のエマニュエル・べアール主演『美しき諍い女』が、カンヌ国際映画祭グランプリを受賞。同作は約 4 時間の長尺ながら、日本でもミニシアターでヒットを記録した。その他代表作に『修道女』(66)、『セリーヌとジュリーは舟でゆく』(74)、『北の橋』(81)、『彼女たちの舞台』(89)、『ジャンヌ・ダルク/ I 戦闘 II 牢獄』(94)などがある。09 年の『ジェーン・バーキンのサーカス・ストーリー』が遺作となった。

執筆者

Yasuhiro Togawa