監督は長編一作目「人はいない」がロッテルダム国際映画祭で上映され、本作が三作目の新鋭大内伸悟。主演は柳沢茂樹(主演「息衝く」木村文洋監督※2016年公開予定)、細江祐子(「バカのハコ船」山下敦弘監督/「Sweet Sickness」西村晋也監督)、松浦祐也(「ローリング」冨永昌敬監督)インディーズ界での活躍が期待される個性派が集結し、かつてみたことのないアバンギャルドで、不条理な生と死のドラマが生まれた。

[監督コメント]
人間が普通に生きていることの不可思議さは日常ではなかなか体験できない。しかし、日常の中に死の匂いが紛れ込んだ途端、解消し得ない生の矛盾が湧き上がる。そんな死の匂いに当時の私は魅了され取り憑かれていました。日常を越えた生と死が共存する様な世界観を作り上げたかった。それは“自分の死”に通じる世界観かもしれません。物語からの逸脱や混沌を無理やり落とし込むことでそれを表現しようと確信のないまま完成した着地点のない映画です。

[ストーリー]
ある夜に起こった幽霊騒動。
やがて、それは生と死の境が曖昧な異次元の世界へつながっていく
地図の調査員の仕事をしている優二の部屋を”前の住人”だった亮子という女が訪ねてくる。当時、一緒に暮らしていたゴトウという男に会いに来たという。その後、優二の友人で廃品回収業をしている西田がその部屋で幽霊を見たと騒ぎになる。優二は偶然再会することとなった亮子からゴトウが既にこの世にいないことを告げられるのだが・・。優二を取り巻く死の匂いの先に彼が見た世界とは。

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執筆者

Yasuhiro Togawa