本日4月14日(木)に実施されたカンヌ国際映画祭の公式記者会見にて、5月21日より日本公開となる是枝裕和監督最新作『海よりもまだ深く』が、第69回カンヌ国際映画祭(現地時間:2016年5月11日〜22日)の「ある視点」部門にて正式出品されることが発表されましたので、ここにお知らせいたします。
是枝裕和監督作品が「ある視点」部門で出品されるのは、09年公開の『空気人形』以来、7年ぶり2度目となります。

是枝監督作品のカンヌ国際映画祭での出品は、コンペティション部門での『DISTANCE/ディスタンス』(01)、主演の柳楽優弥が映画祭史上最年少の最優秀男優賞を受賞した『誰も知らない』(04)、審査員賞を受賞した『そして父になる』(13)、『海街diary』(15)、また、ある視点部門での『空気人形』(09)に続き、本作で6作品目。
『そして父になる』『海街diary』に続き3作連続の出品は、世界の映画人たちからの是枝作品への期待がうかがえます。

本作で、是枝監督が描くのは、夢見た未来と少し違う今を生きる、家族の物語。主演に迎えたのは、今や国民的名優となった阿部寛。叶わぬ夢ばかり追い続ける情けない男・良多を、ときに可笑しく、ときに切なく、チャーミングに演じています。そんな良多に愛想を尽かした元妻に真木よう子。そして、良多の人生を穏やかな眼差しで見つめる母に樹木希林。台風の夜に集まった元家族。嵐が去れば、またそれぞれの日常に戻ると分かっている彼らの想いが交錯し——。“海よりもまだ深い”人生の愛し方を教えてくれる、心に沁みる感動作です。
映画祭の正式上映(上映日未定)に合わせての、是枝裕和監督に加え、阿部寛、真木よう子、樹木希林の渡航は調整中となっております。

是枝裕和監督コメント

昨年に続いて又、カンヌで自作のワールドプレミアを行えるというのは本当に嬉しい限りです。今回は「ある視点」部門ということですが、この作品にとって最もふさわしい場所を与えて頂いたと思っています。
『海よりもまだ深く』というローカル色豊かな、小さな小さな元家族の物語が、カンヌの観客のみなさんにどんなふうに受け止めてもらえるのか?僕自身今から楽しみにしています。

阿部寛コメント

この「海よりもまだ深く」の中で、僕は夢見た人生と違う生き方をしている売れない作家を演じていますが、いつかカンヌ国際映画祭で上映される映画に出演できたら、と願っていた僕自身の夢は、是枝監督はじめ素晴らしいスタッフ、キャストの方々との出会いによってこのように叶い、今は信じられないくらい嬉しいです。
できましたら僕もカンヌで観客の皆さんと一緒に上映を楽しみたいと思っています。

真木よう子コメント

再び是枝監督の作品に呼んでいただき、その作品がまたカンヌで上映されると聞いてとても嬉しく思います!
団地を舞台に家族の日常を描いたこの物語は、私がとても大好きな作品です。
世界の方々に観ていただけるのを今から楽しみにしています。

樹木希林コメント

カンヌ、ある視点、いいなあ。
団地の話、世界のバイヤーが買うかなあ。
とにかく出席届に○。

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執筆者

Yasuhiro Togawa