『冬の小鳥』で鮮烈なデビューを飾ったウニー・ルコント監督が、母と娘の運命的な再会を、自身の人生を重ねて繊細に描いた珠玉の作品。
自身の実体験から生まれた大ヒット作『冬の小鳥』で鮮烈なデビューを果たしたウニー・ルコント監督が、6年の歳月を経て完成させた待望の最新作「Je vous souhaite d’être follement aimée(あなたが狂おしいほどに愛されることを私は願っている)」(英題:Looking for her)の邦題が『めぐりあう日』に決定し、7月30日(土)より岩波ホール他にて公開する運びとなりました。
孤児となった9歳の少女が韓国からフランスへ養子として旅立つまでを繊細なタッチで描いた前作『冬の小鳥』。2010年、ウニー・ルコント監督は、自身の子供時代をもとに書いたこの映画の脚本が、巨匠イ・チャンドンの心を射止め、製作も担当してもらうという幸運な監督デビューを果たしました。それから6年、再び自身の人生から新たな映画『めぐりあう日』を生み出し、今回は、夫も息子もいる自立した女性を主人公に据え、30年の歳月を経てめぐり逢う母と娘を描きます。理学療法という肌が触れ合う行為を通し、見えない糸に手繰り寄せられるように近づく母と娘。運命の不思議さに胸を締め付けられるも、新たな人生の一歩を予感させるルコント監督渾身の感動作です。
「君と歩く世界」「灼熱の肌」などに出演し躍進目覚しい実力派女優セリーヌ・サレットを主演に迎え、ゴダール作品のカメラマンとしても知られるフランス屈指の女性撮影監督カロリーヌ・シャンプティエによる透明感と叙情に満ちた撮影も美しい余韻を残します。

『冬の小鳥』から6年、あの鮮烈なデビュー作を超えた、もう一つの人生。母と娘の運命的な再会を、自らの人生を重ねて描く、待望の長編第二作。

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執筆者

Yasuhiro Togawa