『サラの鍵』原作者タチアナ・ド・ロネのベストセラー小説を映画化したフランス映画『BOOMERANG』がこの度、日本公開タイトル『ミモザの島に消えた母』として7月、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国ロードショーが決定いたしました。

物語の舞台はフランス大西洋に位置し、冬に咲くミモザの花から『ミモザの島』と呼ばれるノワールムティエ島。そこで一人の若い女性が謎の死を遂げた。それから、30年—、母の謎の死により心に深い傷を抱えて40歳になったアントワンは仕事も家族との関係もうまくいかない原因は30年前の母の死にあるのではと思い、その真相を調べ始める。だが、重大な秘密を隠すかのように口を閉ざす父と祖母、そして目を背ける妹。“家族は何かを隠しているー”。確信めいたものを感じ、真相を追い求めるアントワンは恋人アンジェルと妹の協力を得て、故郷のミモザの島を調べ始める。やがて、当時幼かったが故に知る由もなかった真実が次々と明らかになっていき、それは家族の絆すら揺るがしていくことになるー。映画は30年前の母の謎の死とその裏に隠された「秘密」を覗き見する、大人の為の珠玉のサスペンス・ドラマであるとともに、心の奥底の機微を丁寧に描き出した上質な人間ドラマに仕上がった。

原作は第23回東京国際映画祭で最優秀監督賞と観客賞のW受賞した『サラの鍵』の原作者タチアナ・ド・ロネのベストセラー小説。監督は2004年フランス映画祭出品作品「彼女の人生の選択」を手掛けたフランソワ・ファヴラ。キャストには『クリムゾン・リバー』のロラン・ラフィットや『人生はビギナーズ』『複製された男』などのメラニー・ロランなどフランスの実力派俳優が出演。過去と現在を織り交ぜながら、緊張感溢れる映像で描き出した珠玉のサスペンスでありながら、大切な人を失う喪失感と再生を丁寧に描いた。

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執筆者

Yasuhiro Togawa