日雇い労働者の街・大阪市西成区釜ヶ崎で、38 年にわたり活動を続ける居場所「こどもの里」。そこに生きる子どもたち・大人たちの姿を、足かけ 7 年にわたり追いかけたドキュメンタリー映画「さとにきたらええやん」が、6 月の東京公開を皮切りに、全国各地順次公開することが決まりました。

いま、日本の子どもの 6 人に 1 人が「貧困」といわれ、内閣で「こどもの貧困対策」が取り組まれる中、全国各地で《こども食堂》や《無料塾》など、生まれ育った環境によって生じるさまざまな「困った」や「根深い背景」を社会全体で見つめ・考えていこう、という動きが市民の間でも広まっています。そんななか、古くから様々な境遇の子どもたちやそこに生きる親たちと向き合い・関わり続けてきた「こどもの里」に大きな注目が集まっています。
この映画は、「こどもの里」で元気いっぱいに遊ぶ子どもたちの世界や、「しんどさ」を抱えざるをえない大人たちが、ともに関わりあいながら生きる日々を通して、めまぐるしく移り変わる現代社会の「ひずみ」を見事に描き出しています。いま、私たち一人ひとりが、社会を見つめ直す機会に、そして、この作品を必要とする人たちの元へ届けていけたらと願っています。

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執筆者

Yasuhiro Togawa