果たして音楽とは耳から聴くだけのものなのだろうか—?
映画『LISTEN リッスン』は監督から出演者まで、全員が聾者によって制作された「無音」の音楽映画。出演者は楽器や音声を介さずに、手話を始めと
した全身の身体表現により、視覚的に「音楽」空間を創り出していく。彼らはインタビューで各々に「音楽が視える」と語り、「魂から溢れ出る“気”のようなもの」から「音楽」を感じると答える。手話言語を通じて日常的に熟達した彼らの身体表現は、「音楽とは?」という問いのさらに奥深く、人の内面から滲み出る内なる“何か”へと迫っていく。

本作は既存の「音楽」の概念を崩し、聾者たちが無音の状態から創り出す「音楽」の映像化を試みた実験的映像詩(アート・ドキュメンタリー)である。

監督は聾者の両親を持ち、自身も聾者である新鋭監督・牧原依里。
そして、映画『私の名前は…』(監督:アニエスベー)に出演するなど、国内外で活躍する舞踏家・雫境(DAKEI)。
聾のアイデンティティーを持つ二人の共同監督のもと、「音楽」と「生命」の新たな扉をひらく。

【 監督プロフィール 】
牧原 依里
1986年生まれ。聾の両親を持つ。小学2年まで聾学校に通い、小学3年から普通学校に通う。大正大学で臨床心理学を専攻。会社に勤めながら映画制作を行っている。
2013年ニューシネマワークショップ受講。2014年Movie-High14『今、僕は死ぬことにした』(短編映画)上映。

雫境(DAKEI)
2000年東京藝術大学大学院博士課程修了、美術博士号取得。大学院在籍中、舞踏家・鶴山欣也の誘いを受け、舞踏を始める。国内のみならずアメリカ、イギリス、スペイン、メキシコなど世界中を舞台に活動。また、アニエスべー初監督映画『わたしの名前は…』などの映像作品に出演、幅広く活動を行っている。

【 クラウドファンディングで宣伝費190万円を募集!! 】
映画『LISTEN リッスン』は2014年6月から構想を始め、牧原依里・雫境の共同監督のもと自主制作で2015年末に完成。

劇場公開は決定したものの、プロモーションの資金が不足している状態にあります。また、出演者とスタッフはほぼ全員が聾者で構成されており、観客には聾者・聴者の両方を想定します。イベント上映時にはトークショーも予定され、より正確に作品に関するコミュニケーションをとるために、高度な通訳技術を持った手話通訳者が必要になります。

これらの資金調達のため、1月28日(木)より、クラウドファンディングサービス「READYFOR」にて約2ヶ月半にわたるクラウドファンディングを実施し、幅広く支援を募ります。

・期間 : 1月28日(木)〜4月12日(火)
・目標金額 : 1,900,000円
・実施サイト : READYFOR https://readyfor.jp/projects/listen
「聾者が奏でる無音の音楽映画が劇場公開!上映を全国に拡大したい」

映画 『LISTEN リッスン』
共同監督・撮影・制作:牧原依里・雫境(DAKEI)
出演:米内山明宏、横尾友美、佐沢静枝、野崎誠、今井彰人、岡本彩、矢代卓樹、雫境、佐野和海、佐野美保、本間智恵美、小泉文子、山本のぞみ、池田華凜、池田大輔
配給:アップリンク / 宣伝:聾の鳥プロダクション/2016年/58分/日本/サイレント

【 公式サイト 】 http://www.uplink.co.jp/listen/
【 公式Twitter 】 https://twitter.com/listen2016deaf1
【公式Facebook 】 https://www.facebook.com/listen-567768356712092/
【予告】
https://www.youtube.com/watch?v=Z_mddeYIndA&feature=youtu.be

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執筆者

Yasuhiro Togawa