碑(いしぶみ)に刻まれた旧制・広島二中一年生の全生徒たち

幼くしてこの世を去った彼らの言葉が、未来を生きる子どもたちへのメッセージになる太平洋戦争末期、それまでたった一度しか空襲がなかった広島市には、東京や大阪から多くの子どもたちが疎開してきました。戦争も最終段階に入ったこの頃は、労働力不足を補うために、中学生も建物の解体作業や農作業などにかり出されました。学校で勉強できる日は少なく、夏休みもありませんでしたが、みんな日本の勝利を信じて一生懸命働きました。
昭和 20 年 8 月 6 日は、朝から暑い夏の日でした。この日、建物の解体作業のため、朝早くから広島二中の一年生は本川の土手に集まっていました。端から、1、2、3、4、・・・と点呼を終えたその時でした。500 メートル先の上空で爆発した原子爆弾が彼らの未来を一瞬にして奪ったのです。
少年たちは、元気だった最後の瞬間、落ちてくる原子爆弾を見つめていました。
あの日、少年たちに何が起きたのか…。遺族の手記に残された死にゆく彼らの最後の言葉を伝えます。

<書籍情報>
ポプラポケット文庫
『いしぶみ 広島二中一年生全滅の記録』
昭和 20 年 8 月 6 日の朝、広島二中の 1 年生 321 人は、
どんな運命が待ちかまえているかも知らずにそれぞれの
家を出かけていった──。原爆で、一人残らず若き命を
落とした、ある中学校の 1 年生たちの克明な記録。
40 年以上読み継がれてきたロングセラー。
■書誌情報
ISBN:978-4-591-11049-2
サイズ:17.5cm x 11.5cm/ページ数:199 ページ
グレード:小学校高学年〜/定価:本体 570 円(税別)

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執筆者

Yasuhiro Togawa