1884年に岡山で生まれ、明治、大正、昭和の3時代を駆け抜けた“日本最初のポップアート”アーティスト竹久夢二。いまでも全国各地で特別展が開催され、色褪せぬことなくファンを魅了する夢二。これまでにも「夢二」の映画が製作されてきましたが、その多くは彼を巡るある種の幻想の物語でした。本作が描く「竹久夢二」は、人間あるいは男としての哀しくも愛ある姿を捉えています。夢二が生きたロマンあふれる時代を再現しながら、「美人画」のモデルとなった妻・たまきとの憎愛と決別・・崩壊。最も愛した女・彦乃(しの)との逃避行・・そして死。最後のミューズ・お葉との出会い・・再起。と夢二の迸りに翻弄される女達の心情を深く掘り下げながら、人間・竹下夢二の本質に迫る物語を描きます。

 主人公・竹久夢二を演じるのは、30歳で役者デビューを果たし、2011年のNHK連続テレビ小説『カーネーション』でヒロインの夫に大抜擢。その後TBS「半沢直樹」出演など、若手実力派としての実績を着実に積み上げ注目を集める駿河太郎。夢二が最も愛した女・彦乃には「イン・ザ・ヒーロー」(14)「カバディーン!〜花吹雪高校篇〜」(14)などへの出演で話題を集めた小宮有紗がこれまでのイメージを覆す体当たりの演技に挑戦しています。また、夢二の妻・たまきには「極道の妻たち Neo」(13)「利休にたずねよ」(13)「イン・ザ・ヒーロー」(14)の黒谷友香、彦乃の父を2002年度 第12回日本映画批評家大賞􀂝主演男優賞を受賞し、日本のみならず海外進出も果たしている加藤雅也と、話題溢れる俳優陣が脇を固めています。

そして本作でメガホンをとり脚本を手掛けたのは、宮野ケイジ。TVCMなど広告、プロモーション映像をディレクターとして手がけ、「日本産業映画コンクール」企業部門・最優秀作品賞をはじめ、多数受賞。TV番組、大型映像、3D映像など特殊映像まで幅広く手がけ、不良性感度の高い映像作家と評され注目を集めています。

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執筆者

Yasuhiro Togawa