2015年 ベルリン国際映画祭 銀熊賞(女優賞)W受賞に始まり、10つの主演女優賞にノミネート、7つの賞を受賞(1月14日現在)。今年70歳、映画デビューから51年、演技力と美貌を備えたイギリスの大女優。

久々の主演作品「『さざなみ』」(原題:45 YEARS)で主演のシャーロット・ランプリングは、2015年・第65 回ベルリン国際映画祭 銀熊賞(女優賞)で注目を集め、賞レースの先陣を切り、今年で70歳となったイギリスの大女優は、女優歴51年目にして自身初となるアカデミー賞®主演女優賞にノミネートされた! 1965年に映画デビューし、数々の作品でその演技が評価されてきました。ルキノ・ヴィスコンティに見いだされ、2000年代に入ってからはフランソワ・オゾン監督に再発見されたイギリスが誇る名女優です。

本作は、熟年夫婦の関係から、普遍的な男女の愛をそして、人間そのものを描いていく。観客をもドラマに引き込んでいく演出を手掛けたのが、アンドリュー・ヘイ監督。本作では、長年の愛がたった1通の手紙で、ゆらいでいく男女の心のうちを見事に描いています。それを演じる、シャーロット・ランプリングとトム・コートネイは、繊細な心理をいとも自然に全身で演じ、思わずゾクっとするような場面もあります。夫を理解するか?妻を理解するか?自分の経験と重ねながら、大いに語りたくなる愛のドラマです。

■『さざなみ』4月9日(土)よりシネスイッチ銀座ほか全国順次公開

夫は過去の想いに酔いしれ、妻の心は感情の揺さぶりにより、さいなまれてゆく—。
やがて大きくなった波は、防波堤を超えてしまうのだった…。
土曜日に結婚45周年の記念パーティを控えるジェフとケイト。しかし月曜日にある手紙が届いたことで、彼らの土曜日までの6日間は、45年の関係を大きく揺るがしていく。山岳事故で死んでしまったかつての夫の恋人のゆるぎない存在が、突如として夫婦の関係に入りこんできたとき、夫は過去の恋愛の記憶を日毎に蘇生させ、妻は存在しない女への嫉妬心を夜毎重ねていく。それはやがて夫へのぬぐいきれない不信感へと肥大していくのだった…。夫婦が重ねた45年とはいったい何だったのか?長い年月は互いの不信や嫉妬の感情を乗り超えることはできないのか?男女の結婚観、あるいは恋愛観の埋められない溝と決定的な違いを描いた、心揺さぶる夫婦の愛のすがた。夫婦の関係を通し、普遍的な男女の“愛”、“恋愛と結婚の違い”を突きつけてくる傑作の誕生!

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執筆者

Yasuhiro Togawa