『トウキョウソナタ』『CURE』など、日本国内だけではなく世界中に熱狂的な支持者が多く、
昨年『岸辺の旅』でカンヌ国際映画祭ある視点部門監督賞を受賞した黒沢清監督の初の海外作品であり、全編フランス語で撮りあげた最新作の邦題が『ダゲレオタイプの女』と決定しました。

ダゲレオタイプと呼ばれる、世界最初の写真撮影法を用いて肖像写真を撮影するカメラマンの家に隠された秘密と愛を描く、ホラー・ラブストーリーです。
主役のジャンを演じるのは、『預言者』(ジャック・オディアール)『ある過去の行方』(アスガー・ファルハディ)『消えた声が、その名を呼ぶ』(ファティ・アキン)など名匠の作品への出演が続くタハール・ラヒム。
ジャンが想いをよせるマリー役には『女っ気なし』などで若手女優として注目を集めるコンスタンス・ルソー、マリーの父であり、ダゲレオタイプのカメラマンであるステファンをダルデンヌ兄弟作品常連のオリヴィエ・グルメが演じています。
また名優マチュー・アマルリックがステファンの友人ヴァンサンを演じているのも見どころです。

【黒沢清監督コメント】
初めてフランスで映画を撮りました。日本と何か大きく違うことがあるんじゃないかと最初は心配しましたが、杞憂でした。
映画はやはり世界共通言語のようです。日本の怪談にならったホラーとラブ・ストーリーを組み合わせた物語を、フランス人スタッフもキャストもたちどころに理解し、全ての作業がスムーズに進みました。
そして、一本の見紛うことのないフランス映画ができあがりました。

関連作品

http://data.cinematopics.com/?p=54773

執筆者

Yasuhiro Togawa