「トランスフォーマー」シリーズのマイケル・ベイによる海外ドラマ「ザ・ラストシップ<ファースト・シーズン>」を 2016 年 2月 10 日にブルーレイ&DVD リリース、デジタルセル配信開始いたします。
本作は、史上最悪のパンデミックに襲われた世界を舞台に、治療薬の発見を託された米海軍駆逐艦「ネイサン・ジェームズ」の苦難に満ちた戦いをスリリングに描いた、超大型ミリタリー・パンデミック・アクションドラマです。米海軍全面協力のもと、駆逐艦やヘリコプターなどはすべて実機を使用し、実包実写の砲撃を敢行するなど、超ド迫力でリアルなアクション映像が最大の見どころです。「ザ・ラストシップ」をもっと楽しむための基礎知識を、お届けします

「トランスフォーマー」最新作の製作決定が発表されたマイケル・ベイ。彼の持ち味といえば、なんといってもアメリカ軍撮影協力のもと、リアルな演出で見せるド迫力のアクションシーンだ。ではなぜ彼はアメリカ軍からの撮影協力を要請できるのか。それは、まぎれもなく、マイケル・ベイがミリタリーをカッコよく描く天才だからなのである。
そんな彼が初めて手掛けた TV シリーズ、「ザ・ラストシップ」。アメリカ海軍が誇る最新鋭ミサイル駆逐艦、アーレイ・バーク級 DDG-151「ネイサン・ジェームズ」を舞台に、艦長チャンドラー中佐の指揮の下、水上戦・対空戦・艦内での戦闘・上陸部隊による地上戦までが描かれるミリタリーアクション作品だ。アメリカ海軍の全面協力のもと、実際のアーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦でロケが行われており、艦内 CIC(戦闘指揮所)での緊迫したやり取り、レーダーでの敵補足から様々な兵装の射撃要領までリアリティ溢れる描写がなされている。

【現代の”最強の盾”と称されるイージス艦】
この DDG-151「ネイサン・ジェームズ」、いわゆる「イージス艦」と呼ばれる軍艦なのだが、イージス艦は戦艦や駆逐艦といった「艦種」を表すものではない。イージス艦と呼ばれる所以は、搭載した「イージス兵装システム(AEGIS WeaponSystem)」と呼ばれる統合戦闘システムにある。「ネイサン・ジェームズ」の艦橋に注目して欲しい。切り立った崖の様に角張った艦橋と、そこに設置された八角形のパネル−固定アンテナが目を引くだろう。これが「AN/SPY-1 レーダー」。イージス兵装システムの核心であり、これによって半径 500km 圏内、200 以上の目標を同時に探知可能となっている。このSPY-1 レーダーや水中ソナー、僚艦からのデータリンクにより提供される情報を元に、指揮決定システムが目標の脅威度や攻撃手段を自動で識別。目標への攻撃が命令された際には兵装管制システムが最適な攻撃手段を判断する。

地上目標や敵の水上艦艇に対しては RGM-109「トマホーク」巡航ミサイル。敵の潜水艦に対しては RUM-139「VL アスロック」対潜水艦ミサイル。これは敵潜水艦の近くまで飛翔し、着水後は水中を進むいわば”飛行魚雷”だ。敵の航空機へは射程 70kmを誇る RIM-66 SM-2「スタンダード」対空ミサイルと近距離防空用の RIM-7「シースパロー」対空ミサイル。これら対空ミサイルの弾幕をかい潜って更に接近する敵航空機やミサイルには、高性能機関砲である CIWS バルカンファランクスシステムと 127mm単装砲で対応する。
ギリシャ神話において女神アテナが携えたといわれる魔を払う最強の盾 Aigis(アイギス)を名に冠する「イージス兵装システム」は、空・海上・海中からのあらゆる攻撃に対抗出来る現代の”最強の盾”なのだ。

TEXT:金子賢一(K サプライ)

「ザ・ラストシップ<ファースト・シーズン>」 2016 年 2 月 10 日リリース
◇コンプリート・ボックス発売 ブルーレイ(¥11,300+税)、DVD(¥9,400+税) ◇DVD レンタル ◇デジタルセル配信
発売・販売元:ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント © 2015 TNT Originals, Inc.TM Turner Network Television, Inc. All rights reserved.

執筆者

Yasuhiro Togawa