『マトリックス』『インセプション』よりずっと早く作られた、ヴァーチャルリアリティによる多層世界『ベルリン・アレクサンダー広場』『マリア・ブラウンの結婚』のドイツ映画の巨匠、ライナー・ヴェルナー・ファスビンダーの幻の作品が遂に劇場公開!!

スタンリー・キューブリック『2001年 宇宙の旅』(1968)、アンドレイ・タルコフスキー『惑星ソラリス』(1972)、リドリー・スコット『ブレードランナー』(1982)など映画史に輝くSF映画の傑作。その歴史に連なる先鋭的なSF作品が70年代初めに西ドイツで作られていた。それが『あやつり糸の世界』だ。そこに描かれたヴァーチャルリアリティによる多層世界は、『マトリックス』『インセプション』に先駆ける。またゴダールの異色SF『アルファヴィル』の主役を演じたエディ・コンスタンティーヌが特別出演している。

監督はニュー・ジャーマン・シネマの鬼才ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー。鏡を多用した画面設計、溢れる電子音とグッド・ミュージック、そして愛と孤独のドラマ…。鋭敏な時代感覚と普遍的な主題で社会を挑発し続けたファスビンダーが、「模造の世界」を鮮烈に解き放つ。ファスビンダー幻の作品『あやつり糸の世界』が43年の時を経て、遂に劇場公開されます。

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執筆者

Yasuhiro Togawa