キネマ旬報ベスト・テンとは キネマ旬報ベスト・テンとは
『キネマ旬報』は、1919(大正8)年に創刊し、現在まで続いている映画雑誌として、世界一の歴史を誇ります。

最初に、キネマ旬報ベスト・テンを行ったのは、1924 年度(大正 13 年)。当初は、編集同人のみによる投票で、〈芸術的に最も優れた映画〉〈娯楽的に最も優れた映画〉の2部門(外国映画部門のみ)でしたが、1926年(大正15年)、日本映画の水準が上がったのを機に、現在と同様〈日本映画〉〈外国映画〉の2部門に分けたベスト・テンに変わりました。戦争による中断があったものの、大正年間から継続的にベスト・テンは選出され続けており、2015年度のベスト・テンで89回目を数えます。

キネマ旬報ベスト・テンの特徴としては──
■世界的にみても、非常に長い歴史を持つ映画賞(アメリカのアカデミー賞は 2016 年で第 88 回となる)であること。

■ベスト・テンという形で、その年を代表する「日本映画」「外国映画」「文化映画」を 10 本、さらに「日本映画」と「外国映画」には読者選出部門を設け、それぞれの10本を挙げるほか、「日本映画監督賞」「外国映画監督賞」「日本映画脚本賞」「日本映画主演女優賞」「日本映画主演男優賞」「日本映画助演女優賞」「日本映画助演男優賞」「日本映画新人女優賞」「日本映画新人男優賞」「読者選出日本映画監督賞」「読者選出外国映画監督賞」「キネマ旬報読者賞」と、その年の称賛すべき作品・映画人を多面的に選び出していること。

■ベスト・テン及び各賞の選出者は、映画を多く見ている者に厳しく限定され、しかも選出者数が多く(2015 年度はのべ 136 名)、さらにその年齢・所属の幅(映画評論家、日本映画記者クラブ員など)も広いことから、当年の映画界の実勢を反映する、最も中立的で信頼に足る映画賞という評価を受けていること。
以上が挙げられます。 URL: http://www.kinejun.com

2015 年 第 89 回キネマ旬報ベスト・テン

【個人賞】
日本映画監督賞 橋口亮輔 「恋人たち」
日本映画脚本賞 橋口亮輔 「恋人たち」
主演女優賞 深津絵里 「岸辺の旅」「寄生獣 完結編」
主演男優賞 二宮和也 「母と暮せば」
助演女優賞 黒木華 「母と暮せば」「幕が上がる」「ソロモンの偽証 前篇・事件/後篇・裁判」
助演男優賞 本木雅弘 「日本のいちばん長い日」「天空の蜂」
新人女優賞 広瀬すず 「海街 diary」
新人男優賞 篠原篤 「恋人たち」
外国映画監督賞 ジョージ・ミラー 「マッドマックス 怒りのデス・ロード」

【作品賞】
■日本映画ベスト・テン第1位
「恋人たち」(監督/橋口亮輔 配給/松竹ブロードキャスティング、アーク・フィルムズ)
■外国映画ベスト・テン第1位
「マッドマックス 怒りのデス・ロード」(監督/ジョージ・ミラー 配給/ワーナー・ブラザース映画)
■文化映画ベスト・テン第1位
「沖縄 うりずんの雨」(監督/ジャン・ユンカーマン 製作・配給/シグロ)

【2015 年 第 89 回日本映画ベスト・テン】
1 位 恋人たち
2 位 野火
3 位 ハッピーアワー
4 位 海街 diary
5 位 岸辺の旅
6 位 GONIN サーガ
7 位 この国の空
8 位 ソロモンの偽証 前篇・事件/後篇・裁判
9 位 母と暮せば
10 位 きみはいい子
10 位 ローリング
(次点:「駆込み女と駆出し男」「バクマン。」)
*10 位は 2 作品同点となります。
*10 位が 2 作品のため、次点は 12 位となります。

【2015 年 第 89 回外国映画ベスト・テン】
1 位 マッドマックス 怒りのデス・ロード
2 位 アメリカン・スナイパー
3 位 アンジェリカの微笑み
4 位 バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)
5 位 黒衣の刺客
6 位 神々のたそがれ
7 位 セッション
8 位 雪の轍
9 位 インヒアレント・ヴァイス
10 位 おみおくりの作法
(次点:「イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密」)

【2015 年 第 89 回文化映画ベスト・テン】
1 位 沖縄 うりずんの雨
2 位 戦場ぬ止み(いくさばぬとぅどぅみ)
3 位 瀬戸黒 —加藤孝造のわざ—
4 位 “記憶”と生きる
5 位 芭蕉布 —平良敏子のわざ—
6 位 福島 生きものの記録 シリーズ3 〜拡散〜
7 位 生命の誕生 〜絶滅危惧種日本メダカの発生〜
7 位 放射線を浴びたX年後2
9 位 日本と原発
9 位 みんなの学校
(次点:「首相官邸の前で」)
*7位、9位は 2 作品同点となります。

また、歴代の受賞作品や受賞作品の詳細は、弊社運営の映画鑑賞記録WEBサービス「KINENOTE」内の特設ページにてご覧いただけます。
▼特設ページURL
http://www.kinenote.com/main/kinejun_best10/

執筆者

Yasuhiro Togawa